住んでいるからこそ感じる、街の変化のリアル
ホノルル・カカアコ地区にあるワードビレッジは、ここ数年で急速に変貌している注目のエリアです。私も仕事帰りや週末に立ち寄ることが多く、新しいコンドミニアムやカフェ、ショップが続々と登場するたびに、街の「今」が生きていると実感します。
そんな中、ひとつの店舗が静かにその歴史に幕を下ろそうとしています。2025年6月10日、カカアコのロングス・ドラッグス(Longs Drugs)ワードビレッジ店が閉店することが明らかになりました。開店からわずか5年半、まだ契約期間が残っているにもかかわらずの撤退。地元民として驚きを隠せません。
今回は、その背景や今後の影響について整理してみたいと思います。
ロングス・ドラッグスとは?
ロングス・ドラッグスは、アメリカ大手ドラッグストアチェーン「CVSヘルス(NYSE: CVS)」が展開するブランドで、ハワイでは特に馴染みのある存在です。日用品から医薬品、食品まで幅広い品ぞろえで、地元の人々の生活に密着したサービスを提供してきました。
閉店するのは「Ke Kilohana」1階の店舗
今回閉店するのは、2019年にワードビレッジの分譲タワー「Ke Kilohana(ケ・キロハナ)」の1階に開店した広さ約2,100㎡(23,000平方フィート)の大型店舗。CVSはこの開業のために190万ドル(約3億円)の改装費用を投じたと言われています。
この場所は、424戸の住居を持つ住宅タワーの真下に位置し、居住者にとっても利便性の高い立地でした。
閉店の理由は「地域環境の変化」
CVS広報によれば、今回の閉店は「人口の変化、マーケットの密度、地元の市場動向」など複数の要因を受けた決定であり、直接的な経済的プレッシャーがあったかどうかは明言を避けました。
実際に、ワードビレッジ周辺は新築タワーが増える一方で、近隣の店舗や通行人はまだ少なく、空き地や建設現場が多い状況です。現時点では「集客力が十分ではない」と判断された可能性があります。
リース契約はまだ残っている?
このロングス店舗のリースは本来2030年1月まででした。CVS側は予定より5年以上前に契約を終了する形となりますが、ワードビレッジを開発するハワード・ヒューズ・ホールディングス(NYSE: HHH)は「正式な通知を受けていない」と述べています。
処方箋やサービスはどうなる?
閉店後、すべての処方箋はサウス・キング通りのロングス(1030 S. King St.)に自動転送され、患者の薬の継続利用には支障がないよう配慮されます。また、CVSは14店舗のホノルル市内ロングス・ドラッグスで引き続きサービスを提供し、以下のような配送オプションも用意しています:
- 1〜2日以内の宅配サービス
- 当日3時間以内のオンデマンド配達
- CVS Pharmacyアプリやウェブサイトから注文可能
従業員はどうなる?
閉店によって職を失うのではと懸念されるスタッフについても、**「社内で同等の職務に配置転換を提案中」**とのことで、リストラではなく内部異動が基本方針のようです。
全米的に進む店舗整理
CVSヘルスは2025年に270店舗を閉鎖する方針をすでに発表しており、今回のワードビレッジ店の閉鎖もその一環と見られます。ホノルルではすでに以下の3店舗が閉店済み:
- ダウンタウンの2店舗
- ニミッツ・ハイウェイの旧Kmart跡店舗(2022年閉店)
まとめ:発展する街でも予測不能な変化はある
今回の閉店は、街の再開発が進行する中でも商業施設の成否が一筋縄ではいかないことを示しています。人口密度の見込み、店舗周辺の交通量、競合との兼ね合いなど、複雑な要因が絡み合っています。
私たち地元住民としては、街の変化に期待しつつ、こうしたニュースを通じて冷静にその裏側を読み取ることも大切だと感じました。
出典:
- CVS Health 公式発表


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