企業の健康保険に肥満治療薬の適用を求める圧力が高まっている。女性の健康推進団体「Alliance for Women’s Health and Prevention」は、企業に対し、医薬品から外科手術、栄養指導まで、包括的な肥満治療を健康保険の対象とするよう求める公開書簡を発表。68の医療団体が署名し、適切な治療を受けられない患者が安全でない代替手段に頼るリスクを指摘している。
GLP-1薬の適用拡大と企業の負担
GLP-1受容体作動薬(Ozempic、Wegovy、Zepboundなど)は、もともと糖尿病治療薬として開発されたが、FDAにより減量効果が認められた。しかし、これらの薬剤は高額であり、企業の医療費負担増加の原因となっている。
ペンシルベニア州の保健福祉長官は、GLP-1薬の適用拡大により州のメディケイド支出が10億ドル以上増加する可能性を指摘。企業の健康保険でも、GLP-1薬の適用が2025年の保険コストを9%押し上げるとAon plcの調査が予測している。これにより、従業員1人当たりの年間医療保険費用が1万6000ドルを超える見込みだ。
従業員の期待と雇用への影響
体重減少薬の健康保険適用は、従業員の求める福利厚生の中で重要度を増している。9amHealthの調査では、GLP-1薬のカバーを「重要」と考える労働者は73%に達し、31%が「保険適用のある企業へ転職を検討する」と回答。2024年のTebraの調査でも、従業員の52%が減量薬の保険適用を望んでいることが判明した。
企業の対応と今後の課題
一部企業では、GLP-1薬の適用を拡大しつつあるが、高額な薬価が保険料の上昇を引き起こしている。2024年末時点で、GLP-1薬を一部適用する企業は30%から63%へ増加。しかし、適用制限も強化されており、GoodRXの調査によると、Zepboundの保険適用外となった人は14%増加し、適用者の83%が事前認可を求められる状況だ。
企業は、医療費負担と従業員の満足度のバランスを取りながら、今後の保険適用の方向性を模索する必要がある。
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