「明日があるとは限らない」だから私はハワイに行く
私がハワイに住んでいても、旅行者の気持ちはよくわかります。ホテル代やレストランの料金、レンタカーやアクティビティの費用など、すべてが高騰していて「本当にこの価格に見合う体験ができるのだろうか?」と考えてしまいます。しかし、最近読んだある家族のストーリーが、私の心に強く響きました。それは、亡くなった兄の思い出を胸に、家族でハワイ旅行を計画しているカナダの男性の話です。彼にとってのハワイは、ただの観光地ではなく、大切な人とのつながりを取り戻す「特別な場所」でした。
彼の言葉に「10年後にお金のことは気にしないが、思い出は一生残る」とありましたが、まさにその通りだと思います。ハワイは決して安くはありません。でも、それ以上に“心に残る体験”がある。そう思わせてくれるのが、この島の魅力なのです。
ハワイの宿泊費はここ数年で大幅に上昇
ハワイのホテル価格は過去数年で急騰しています。2019年と比較して平均宿泊料金(ADR)は約30%上昇、マウイ島に至っては約50%も高くなっています。インフレ調整後でも、一部の島では10〜26%高い水準にあります。特にミッドレンジのホテルでも、マウイでは1泊800ドルになることもあるそうです。
一方で宿泊稼働率は依然としてコロナ前の水準に戻っていません。旅行者数の減少により、観光業界は「価格に見合う価値をどう提供するか」が大きな課題となっています。
「高いけれど、それだけの理由がある」観光の専門家の見解
観光マーケティングの専門家フランク・ハース氏は、「ハワイは安価な旅行先にはなれない」と断言しています。その代わりに、他にはない文化、自然、食など「唯一無二の魅力」で旅行者を惹きつけるべきだと述べています。
実際、スパムむすびやハワイ・リージョナル・キュイジーヌなど、ここでしか味わえない体験は数多くあります。ホテル業界の中でも、改装やリブランドを通じて競争力を高める努力が進められており、アウトリガーグループなどは顧客満足度の向上に成功しています。
旅行は「今を生きる」ための投資
ハワイ旅行を計画しているカナダのティモシー・コロスキルさんは、亡き兄の遺灰を持って家族5人で2週間の旅に出ようとしています。その費用は3万ドル以上。家計には大きな負担ですが、「思い出を作ること」の価値を信じて決断しようとしています。
「未来を計画することも大事だけど、“今日”を生きることも大切」と彼は語りました。私もこの言葉に深く共感しました。旅行は単なる贅沢ではなく、人生を豊かにする“選択”なのだと感じさせてくれます。
参考記事:Pacific Business News「High hotel prices squeeze travelers」
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