【アメリカ】採用担当者のAIに対する意識が変化:求職者のスキルと「本物らしさ」の間で揺れる判断軸

AIスキルは新たな「エクセル」だが、人間性も問われている

以前は履歴書に「Excelスキルあり」と書くだけで評価された時代もありましたが、今では「AIスキル」がそれに取って代わりつつあるようです。とはいえ、すべてをAIで済ませればよいというわけではなく、採用担当者たちもその使い方やバランスを模索しているように感じます。「AIに詳しい」だけでは足りず、「その人自身の本物らしさ」も大切にされているというのは、非常に現代的な矛盾ですね。





採用の現場ではAIスキルが必須条件に

履歴書で「ChatGPTを使える」と書けるかどうかが、採用の分かれ目になる時代が来ています。Resume Geniusの調査によれば、採用担当者の81%がAI関連スキルを持つ候補者を好むと回答。特にZ世代のマネージャーにとっては、AIスキルが最も重要な採用基準だという結果が出ました。


具体的に求められるAIスキルとは

調査で挙げられた重要スキルは以下の通りです:

  • ChatGPTやMidJourney、業務自動化ソフトの使用経験(36%)
  • AIを活用した課題解決力・思考力(35%)
  • 倫理的なAI使用に関する理解(33%)
  • AIのワークフロー統合能力(31%)

つまり「単なる使用経験」ではなく、「創造的に使えるかどうか」が問われています。


「AIに置き換えたい」マネージャーは減少傾向

一方で、AIによる人材の「完全置き換え」に関しては、採用担当者の意識に変化が見られます。プレゼン作成AI「Beautiful.AI」の年次調査では、AIで従業員を置き換えたいと考えるマネージャーは54%→39%へと大幅に減少。また、「AIで社員を置き換えるのが財務的に有利」と考える層も48%→30%に低下しました。


AIは補完ツールとして活用されつつある

Beautiful.AIの調査によると、マネージャーの63%が「自分のチームはAIツールだけではうまく運営できない」と考えています。これは2024年の43%から大幅に増加しており、「AI=人間の代替」から「AI=人間の補完」へと企業の意識が移ってきていることを示しています。


AIを使いつつも「本物らしさ」をどう見抜くか

一方で、採用担当者たちが直面している新たな課題は「本物らしさ(authenticity)」の欠如です。AIによる応募書類や面接対策が高度化した今、候補者が本当に自分のスキルで成果を出せるのかを見極めるのが難しくなってきています。これにより、スキルだけでなく人間性や自律性も重視される傾向が強まっています。


まとめ:AIスキルは武器になるが、それだけでは足りない

企業はAIスキルを持つ人材を歓迎する一方で、それをどう使いこなすか、そして「人間らしさ」をどう保てるかを見ています。これからの求職者は、「AIを使える」だけではなく、「AIを使って何ができるか」「どのような価値を生み出せるか」を語れる必要がありそうです。

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