アラスカ航空、ハワイアンのアマゾン契約貨物機を追加導入 – 貨物統合で収益多角化を加速

統合は「貨物」にも恩恵、ハワイ経済にも影響大

旅客便の話題が中心になりがちな航空業界ですが、今回注目したいのはアラスカ航空とハワイアン航空の「貨物事業」の統合です。特にアマゾン提供のエアバスA330-300貨物機が新たに加わり、ハワイを起点とした物流拠点としてのポテンシャルがさらに広がってきました。地元経済にとっても、物流の安定化・拡充は非常に大きな意味を持ちます。





アマゾン提供のA330貨物機が8機体制に

アラスカ航空は、ハワイアン航空の契約に基づくアマゾン提供のA330-300貨物機2機を新たに受領し、現在の保有数は8機に到達。最終的に10機体制になる予定で、今後さらに2機が追加されます。

この契約は2022年10月にハワイアン航空がアマゾンと締結したもので、アマゾンは1.8億ドルの取引額達成でハワイアン航空株の15%取得権(ワラント)を持つという条件も含まれていました。アラスカ航空はこの買収によりワラントの買取も計画中で、契約内容の見直しも視野に入れています。


統合後の貨物事業で存在感強まる

  • ホノルル=シアトル間はワイドボディ機を1日3便に増便
  • ホノルル=ロサンゼルス間にはボーイング787を2機投入
  • 両社合わせて130以上の目的地に貨物ネットワークを展開
  • 一本化された貨物予約システムにより、発送元によって柔軟なネットワーク利用が可能に

さらに、ホノルル、マウイ、コナ、リフエ、JFK空港、シアトル空港にて貨物業務の共同拠点化を完了し、6月23日にはポートランド空港でも統合を予定しています。


国際貨物も強化:シアトル=成田線で長距離貨物便を開始へ

2025年5月中旬には、アラスカ航空グループ初の**国際長距離貨物サービス(シアトル=東京・成田)**をスタート予定。これにより、アジア市場への物流展開が本格化し、ハワイ経由の国際物流ルートの可能性も今後期待されます。


貨物部門の売上は91%増 – グループの収益柱に

2025年第1四半期の決算によると、アラスカ航空グループの「貨物およびその他の収益」は前年同期比91%増の1億2,200万ドル。これにより、同社の収益構成の48%がプレミアム商品、ロイヤルティ、付帯収入、貨物事業で構成されるまでに成長しています。


まとめ:旅客だけでなく貨物も「ハワイ発グローバル」に

今回の発表は、航空業界が旅客と貨物の両輪で成長を目指す時代に入ったことを象徴しています。アマゾンとの連携強化や国際貨物便の開始により、ハワイが物流のハブとして再評価されるきっかけとなるかもしれません。

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