ハワイ観光の今後を左右する一歩
私がハワイに住んでいて日々感じるのは、観光産業の影響力の大きさです。生活の中で観光客の動向や、関連施設のニュースはいつも話題に上ります。そんな中、ハワイ州観光局(HTA)の制度そのものが大きく変わろうとしているというニュースには驚かされました。HTAは長年、観光政策を担う中核として存在してきましたが、近年はリーダーシップの不安定さや資金面での課題が目立っていました。今回の改革が、より健全で持続可能な観光につながるのか、住民としてもしっかり見守っていきたいと思います。
観光局の監督体制が変わる可能性
現在州議会を通過中の法案「上院法案1571号(SB1571)」は、ハワイ州観光局(HTA)の監督体制を大きく見直す内容です。この法案が成立すれば、HTAは独立機関から、ビジネス・経済開発・観光局(DBEDT)の直接的な管轄下に移されることになります。現在は独自の理事会とCEOによって運営されていますが、今後はHTAの理事会は“諮問委員会”のような位置づけに変更される予定です。
議会の最終決定は間近
この法案はすでに両院協議会(Conference Committee)を通過しており、最終投票は水曜日に予定されています。ハワイ州議会の会期は金曜日に終了するため、今週中に大きな方向性が決まる見通しです。
相次ぐリーダー交代と不安定な組織
HTAでは2024年3月、暫定CEOと理事会会長が相次いで辞任するという異例の事態が発生しました。理事会会長のムフィ・ハネマン氏は、自らが関与する非営利団体の資金使用に関する疑問が浮上し辞任。元CEOのダニエル・ナホオピイ氏は別の企業へ転職しました。現在は、計画部門のキャロライン・アンダーソン氏が暫定CEOを務め、新会長にはトッド・アポ氏が就任しています。
コンベンションセンターの問題も影響
ハワイ・コンベンションセンターの改修工事の遅延もHTAにとって頭の痛い問題です。これにより、2026年から2027年にかけてイベントのスケジュールが変更され、大規模団体のキャンセルが発生する可能性があります。観光収入への悪影響が懸念されています。
組織の安定化と持続可能な観光モデルへ
現在、HTAでは暫定的に新しいブランド責任者(CBO)にジャディ・グー氏、管理責任者(CAO)にアイザック・チョイ氏が就任しています。これにより、HTAは「地域社会、文化、環境と経済のバランスを取った再生型観光モデル」の実現に向けて、移行期間中も運営の継続性を保つことを目指しています。最終的には、恒久的な新CEOの選出が組織の安定化と方向性を定める鍵となります。
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