思わぬ知らせに驚きと不安を感じました
私が住むハワイ、オアフ島ホノルルでは、観光業と空港関連の産業が地域経済の中心を担っています。その中で「空港の裏方」として欠かせない役割を果たしているのが、手荷物処理システムや地上支援を担う空港サービス会社です。今回、そのような会社の一つであるOshkosh Airport Services(オシュコシュ・エアポート・サービス)がホノルルでの業務を終了するというニュースが報じられ、正直ショックを受けました。
とくに、70名もの従業員が職を失うという事実は、地域の雇用や生活に大きな影響を与えるものです。私も空港を頻繁に利用している身として、こうした現場の支えがあってこそ、スムーズな旅ができていたのだとあらためて気付かされました。今後、ホノルル空港の運営体制がどのように変わるのか、また影響を受けた方々の再就職支援がどう進められるのか、注視していきたいと思います。
空港サービス会社がホノルルから撤退へ
米ウィスコンシン州に本社を置くOshkosh Airport Servicesは、ホノルルのダニエル・K・イノウエ国際空港(HNL)で手荷物処理システムの保守・運用業務を請け負っていました。しかし2025年5月8日、同社はハワイ州の「労働力開発協議会(Workforce Development Council)」に対し、突然かつ予期しない契約終了により業務を停止する旨を通告(WARN通知)しました。
この契約は、ハワイ航空委員会(Airlines Committee of Hawaii, Inc.)が管理していたもので、契約の喪失により全従業員119人のうち、少なくとも70人がホノルルで解雇されることになりました。これらの従業員は労働組合には加入していないと報告されています。
契約終了の背景と影響
現時点では、なぜ契約が突然打ち切られたのか、詳細は明らかにされていません。しかし、Oshkosh社はこの出来事を「突発的かつ予測不能」と表現しており、計画的な撤退ではない可能性が高いと見られます。
この決定により、同社のホノルル空港での事業は2025年6月30日をもって終了します。残る従業員のうち、どこでの雇用が打ち切られるかは不明であり、今後さらに詳細が明らかになると考えられます。
Oshkosh社の背景とハワイとの関わり
Oshkosh Airport Servicesは、2023年にOshkosh Corp.がJBT Corp.から買収したOshkosh AeroTechの一部門です。Oshkosh Corp.自体は、特殊車両や航空機支援機器の製造で知られ、消防用の空港用車両(ARFF:Aircraft Rescue and Firefighting)なども手がけています。
ハワイとの関係では、2021年にリフエ、ヒロ、コナ、カフルイ、ホノルルの各空港に8台の消防車両を納入した実績があり、空港インフラの面でも一定の存在感を示していました。
さらに、2023年11月には、ホノルル空港のエヴァ・コンコース拡張部にオフィスと倉庫スペースを申請するなど、長期的な事業展開を見据えた動きもありました。それだけに今回の撤退は、業界関係者にとっても意外な展開となっています。
雇用への影響と今後の展望
ハワイは島嶼地域という特性上、産業の多様化が難しく、空港や観光に関連する職種への依存度が高いのが実情です。今回のように、突発的な契約終了により大量の解雇が発生するケースでは、失業者が再就職するまでの支援体制が極めて重要になります。
今後、ハワイ州やACH(ハワイ航空委員会)、連邦レベルでの労働支援プログラムの活用が進むかが注目されます。また、ホノルル空港の手荷物処理業務を引き継ぐ業者が現れるかどうかによっても、地域経済への影響は変わってくるでしょう。
情報出典:
- ハワイ州労働力開発協議会(Workforce Development Council)
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