ワードビレッジ開発企業、ハワード・ヒューズが大変革へ – パーシング・スクエアとの900百万ドル契約で持株会社に転換

投資家ビル・アックマンが再登場、ワードビレッジ開発の未来は?

私が暮らすハワイでも大きな注目を集めているのが、ホノルルのワードビレッジを開発するハワード・ヒューズ・ホールディングス(HHH)の企業再編です。2025年5月5日、同社は投資家ビル・アックマン率いるパーシング・スクエア・キャピタル・マネジメントとの約900百万ドル(約1400億円)の大型契約を完了し、不動産専業から「多角的な持株会社」へと方向転換することを正式に発表しました。

この動きは、単なる株式売却ではありません。実は、この変革がワードビレッジの今後の開発、ひいてはホノルルの街並みに大きく関わる可能性があるのです。




取引の概要と新体制

今回の取引で、パーシング・スクエアは1株あたり100ドルで900万株の新株を購入。これは5月2日の終値に対して48%のプレミアムがついた価格で、パーシング・スクエアが約46.9%の持株比率を取得することになります(議決権は40%に制限)。

この契約により、創業当初から同社に関わってきたビル・アックマン氏が再び取締役会のエグゼクティブ・チェアマンとして復帰。また、同氏の右腕とも言えるライアン・イスラエル氏が、新設ポジションである**最高投資責任者(CIO)**に就任します。

この人事は、単なる不動産会社から「現代版バークシャー・ハサウェイ」への転換を目指すアックマン氏の意志を明確に反映したものです。


「HHHは今後、巨額の余剰資金を生み出す」──アックマン氏の狙いとは?

パーシング・スクエアによれば、HHHはワードビレッジなどのマスタープラン型不動産開発を続けながら、今後は開発資金を上回る余剰資金を生み出す体質になると分析。その資金を元に、高成長が見込まれる事業への投資を行い、企業価値(1株あたり純資産)を複利的に成長させるという戦略です。

この方針は、不動産一本足では資本市場から過小評価されがちな現状を打破しようとするものであり、将来的にはHHHがさまざまな分野に投資する多角的な企業グループになることを目指しています。


ワードビレッジ開発への影響は?

ハワイ在住者として気になるのは、**ホノルル中心部で進行中の「ワードビレッジ開発」**にこの再編がどう影響するのかという点です。

現時点では、HHHの不動産部門や開発部門は引き続き現体制で継続されるとのこと。CEOのデービッド・オライリー氏をはじめ、開発チームやスタッフに変更はなく、既存のプロジェクトはそのまま進行します。

つまり、ワードビレッジにおける高層コンドミニアム建設や街づくりは継続される見通しですが、将来的にはHHH全体の成長戦略が「不動産以外の投資」にも注がれることで、資源配分の変化があるかもしれません。


まとめ:ハワイの未来にも関わる企業再編

今回の900百万ドル規模の契約は、単なる資金注入ではなく、企業の構造と戦略を根本から変える「再定義」ともいえる出来事です。そしてその舞台のひとつが、私たちの住むホノルルのワードビレッジであることに、注目せずにはいられません。

「ハワイ版バークシャー・ハサウェイ」を目指すHHHの今後に注目しながら、ワードビレッジの街並みがどのように発展していくのか、これからも追いかけていきたいと思います。

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