ハワイから生まれる、意外なグローバル投資の動きに驚いた
私がホノルルで暮らしていると、観光や不動産の話題はよく耳にしますが、たまに「えっ、こんなところにもハワイの企業が?」と驚かされるニュースに出会います。今回のニュースもそのひとつでした。
ハワイに本拠を置く「トリニティ・リアルエステート・インベストメンツ」という投資会社が、アリゾナ州フェニックスにある超大型リゾート「JWマリオット・デザートリッジ・リゾート&スパ」を売却するという発表です。しかも売却額は、なんと8億6,500万ドル(約1,340億円)。
私自身、旅行が好きでJWマリオットのようなリゾートブランドにも興味があるので、こうした大規模な不動産売却にハワイの企業が関与しているのを知ると、地元の経済力や国際的なつながりを実感します。
では、この売却が何を意味するのか?どんな施設で、買収先はどんな企業なのか?詳しく見ていきましょう。
売却されたのはフェニックス最大のリゾート
今回売却が発表されたのは、アリゾナ州フェニックスにあるJWマリオット・デザートリッジ・リゾート&スパ。全950室、うち81室はスイートルームで、総面積243,000平方フィート(約2万2,600㎡)の会議・イベントスペースを備える、フェニックス最大級のリゾート施設です。
この施設は、高級レジャー層に人気があるだけでなく、法人向けのグループ旅行やコンベンション市場にも強みを持っています。
購入したのはナッシュビル拠点のライマン社
買収を発表したのは、テネシー州ナッシュビルを拠点とする「Ryman Hospitality Properties Inc.(ライマン・ホスピタリティ)」。同社はホテルやリゾートに加え、「グランド・オール・オプリ」などのエンターテイメント施設を保有する不動産投資信託(REIT)です。
今回の買収によって、西部市場におけるホテルの展開を強化し、特にグループ旅行市場におけるポートフォリオ拡充を狙っています。
売却したのはハワイとニューヨークの投資連合
売却元は、ハワイのトリニティ・リアルエステート・インベストメンツと、ニューヨークのエリオット・マネジメント社による共同ベンチャー。両社はこのリゾートを2019年に約6億200万ドルで取得しており、約3割の価値上昇を経て今回の売却に至りました。
これは、ハワイ発の企業が、グローバルな資産運用・リゾート開発の分野でも確かな成果を上げていることを物語っています。
リゾートの改装と価値向上が奏功
JWマリオット・デザートリッジはここ数年で約1億ドルの資本投資を受け、大規模なリニューアルが行われてきました。以下はその主な内容です:
- 全客室・スイートの全面改装
- ロビーの刷新
- 新しいプールエリアやウォーターパークの新設
- 新たなレストランの導入
現在は会議・イベントスペースの改修が進行中で、2025年第3四半期の完成予定となっています。これらのリノベーションがリゾートの資産価値を高め、今回の高額売却につながったと考えられます。
収益と将来の戦略
Ryman社の発表によれば、2024年の純利益は2,350万ドルを記録。この施設はすでに安定した収益源となっており、今後もさらなる価値創造が期待されています。Ryman社は短期的な改善と長期的な収益最大化の両方に取り組むと述べており、将来性のある投資先としてこのリゾートを評価していることが分かります。
ハワイ企業の投資力に注目
このニュースを通じて感じたのは、ハワイの企業が「観光業」だけにとどまらず、本土の一流リゾート施設の所有・運営にも深く関与しているという事実です。私たちが暮らすこの島の経済は、思っている以上にグローバルに広がっているのかもしれません。
今後も、ハワイ発の企業が世界の舞台でどんな展開を見せるのか、目が離せません。
出典:
- Pacific Business News
- Ryman Hospitality Properties Inc. 公式発表
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