ワードビレッジの変化を見ていて感じた「高級物件市場」の熱
ホノルルで暮らしていると、街並みの変化や新しい高層ビルの建設ラッシュなどから、オアフ島の不動産市場が活発なことを実感します。特にワードビレッジなどの開発が進むエリアでは、高級コンドミニアムが次々と登場していて、「どんな人が住むんだろう?」と考えながら通勤途中につい見上げてしまいます。
最近、コールドウェルバンカー・リアルティ(Coldwell Banker Realty)が発表したレポートによると、2025年4月のオアフ島の高級住宅市場(販売価格200万ドル以上)で価格と販売件数の両方が上昇したとのこと。景気や金利の不安もある中で、この動きには注目が集まっています。
以下では、最新の数字と動向をわかりやすく整理しながら、高級不動産市場がどこに向かっているのかを読み解いていきます。
2025年4月の高級住宅の中央値は281万ドル
2025年4月に売買された高級住宅(200万ドル以上)の中央値は281万ドル。前年同月の244万ドルから約15%上昇しています。これは市場の堅調さを示す明確なサインといえるでしょう。
売買件数はわずかに増加、特にコンドミニアムが牽引
- 総販売件数:38件(前年同月比 +6%)
- 一戸建て住宅:28件(前年と同数)
- コンドミニアム:10件(前年の8件から増加)
一戸建ての件数は横ばいですが、コンドミニアムが25%増加しており、特にワードビレッジをはじめとした都市型ラグジュアリー物件への需要が高まっていることがうかがえます。
最も高額だった売買はカハラの海沿い物件
今回の最高額売買は、カハラ通りのオーシャンフロント物件。6ベッドルーム・6バスルームの一戸建てが、1,537万ドルで売却されました。このような超高額物件は限られますが、市場の上限価格を押し上げる存在でもあります。
成約が増えた価格帯は中上級セグメント
最も活発だった価格帯は次の通り:
- 300万ドル~390万ドル:販売件数が60%増加
- 400万ドル~590万ドル:50%増加
一方で、600万ドル以上の物件は減少傾向にあり、600万~990万ドルでは2件(前年は4件)、1,000万ドル以上では1件のみとなっています。
この動向は、富裕層の間でも**「戦略的に物件を選ぶ傾向」**が強まっていることを示しているのかもしれません。
コンドミニアムの注目物件はビクトリア・プレイス
コンドミニアム販売で最も高額だったのは、ワードビレッジの「ビクトリア・プレイス」の1ユニット。3ベッドルーム・3バスルームで437万ドルの価格がつきました。
ワードビレッジは近年、高級志向の住民や投資家に人気のエリアで、今後もさらなる開発が続くと見られています。
契約数(エスクロー)は前年比25%増
- 2024年4月:56件
- 2025年4月:70件(+25%)
その内訳:
- 一戸建て:+27%
- コンドミニアム:+18%
この数字は、「今後の取引件数が増加する可能性がある」という前向きなサインでもあります。
市場の今後とバイヤーの動向
Coldwell Banker Realtyのグローバル・ラグジュアリーディレクターであるパティ・ナカガワ氏によると、「中価格帯(200万~590万ドル)の活発な動きが目立ち、富裕層バイヤーは慎重ながらも積極的な姿勢」とのこと。
また、現在の市場は「再調整の過程にあり、適正価格の物件には本気の買い手が集まりやすい」とも分析しています。
まとめ:中堅価格帯が主導する堅調な高級市場
高金利や経済の不透明感が残る中でも、オアフ島の高級住宅市場は価格・件数ともに安定した成長を維持しています。特に300万~590万ドルの価格帯は今後も注目で、コンドミニアム人気も引き続き高まる可能性があります。
私自身も「いつかはこんな物件に住んでみたい…」と思いながら、今後もマーケットの動向を注視していきたいと思います。
出典:
- Coldwell Banker Realty レポート(2025年4月)
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