子どもに本当に着せたい服を求めて
ハワイに住んでいると、日常の中で「ハワイらしさ」に触れる機会が多くあります。私も家族でローカルブランドを見て回るのが好きなのですが、子ども向けの服となると、意外と選択肢が限られているのが実情です。特に、真にハワイの文化や自然を反映したデザインとなると、なかなか見つかりません。そんな中で見つけたのが「The Keiki Dept」というブランド。創業者のレイラニ・シルズさん自身が、「子どもに本当に着せたい服がなかった」という思いから立ち上げたそうで、その背景を知るほどに応援したくなるブランドです。デザインだけでなく、文化的な意味や教育的な視点も大切にされていて、ハワイ在住の親としてとても共感しています。
子どもと文化をつなぐハワイ発ブランド
2016年に設立された「The Keiki Dept(ケイキ・デプト)」は、ハワイの自然や文化にインスパイアされた子ども向けアパレルブランドです。創業者のレイラニ・シルズさんは、ネイティブ・ハワイアンとして「本当に文化とつながれるような服を子どもたちに着せたい」と感じ、自らブランドを立ち上げました。
最初はおむつ代を補うための副業として、ダイニングテーブルで自ら裁縫しながらスタートしたとのこと。たった数点のアイテムから始まったこのブランドは、現在では衣料品を中心に、バッグ、歯固めおもちゃ、ペット用品、さらには教育用ツールまで展開するまでに成長しています。
ローカルアートと教育の融合
ブランドの特徴は、ネイティブプランツ(在来植物)や動物のモチーフ、ハワイ語など、地元文化を反映したデザインです。地元アーティストとのコラボレーションも積極的に行っており、見た目のかわいらしさだけでなく、学びや文化的つながりも意識されています。
近年では、子どもたちと一緒に開発したメモリーゲーム(記憶力カードゲーム)など、遊びを通じてハワイの自然や言語を学べるアイテムも登場しています。これらは「遊びながら文化を学ぶ」というコンセプトで、多くの家庭で支持を集めています。
成長するブランド、地域とのつながりも大切に
2021年にはアイエアの倉庫に生産拠点を移し、現在ではハワイ州内約30店舗、アメリカ本土の一部小売店、オンラインショップなどで商品が販売されています。規模は拡大していますが、「地域とのつながり」や「文化を守る」という姿勢は変わりません。
さらに、ハワイでローカルビジネスを支援するアクセラレータープログラム「Mana Up」の第10期にも参加し、今後は教育ツールのさらなる開発や、国際市場への進出も視野に入れているとのことです。
持続可能なビジネスを目指して
レイラニさんは今後の展望として、「文化的にも経済的にも持続可能なビジネスを築いていきたい」と話しています。チーム体制の強化、生産プロセスの最適化、本土や海外市場への展開といった実務的な部分に加えて、地域社会や文化への還元を常に意識した運営スタイルが印象的です。
ブランドの一つひとつの商品には、ハワイの自然、言語、家族の絆、そして未来への希望が込められています。そうした想いが共感を呼び、今後ますます注目されるブランドになることでしょう。
ハワイ在住の親にこそ届けたいブランド
「The Keiki Dept」は、単なる子ども服ブランドではなく、ハワイの文化を次世代に伝える架け橋ともいえる存在です。ローカルに根ざしつつも、視野はグローバル。私自身も、今後子どもへのプレゼントや出産祝いに、積極的に選びたいと思えるブランドでした。これからも成長を続けていく「The Keiki Dept」に、ぜひ注目してみてください。
出典
Honolulu Civil Beat, Pacific Business News 記事(2025)
The Keiki Dept公式サイト: https://thekeikidept.com
Mana Up Hawaii公式情報
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