ホノルルでも「超高級」が身近になる時代へ
私が住むホノルルでは、ここ数年で住宅のスタイルが大きく変わりつつあります。高層コンドミニアムが立ち並び、ハワイの「ラグジュアリー」が日常に溶け込むようになりました。そんな中、ハワイ島ヒロを本拠とする老舗企業「HPMビルディングサプライ」が、ついにこの超高級住宅市場に本格参入するというニュースには、驚きと期待が入り混じる気持ちです。これまで地元の住宅建築を支えてきたHPMが、デザイン性やブランド力の高い商品を揃え、オアフ島での存在感を一層強めようとしているのです。
HPMは、価格重視の建材・設備という印象が強かったのですが、今回の動きは明らかにそれを超えるものです。実際に私もHPMのホームセンターに足を運ぶことがありますが、今後は「見るだけでも楽しい」洗練されたデザイン商品が増えていくと考えると、ますます訪れるのが楽しみになりそうです。
87Zero買収から始まった高級路線
HPMビルディングサプライは、2年前にホノルルのインテリアデザイン会社「87Zero」を買収。これを機に、超高級住宅および商業プロジェクト市場へ本格参入しました。87Zeroはナ・ラマ・ククイ・ライフスタイル&デザインセンターに2つのショールームを構えており、その実績と人材がHPMの新しい方向性の核となっています。
現在は「HPMデザインセンター」として3つ目のショールームを同施設内に開設し、87Zero出身の約20名のスタッフに加え、新たに数名の従業員も加わりました。
カカアコの高級コンドにも対応する商品ラインナップ
87Zeroが得意としていたのは、キッチンやバスルームのキャビネット、建築用備品、さらにはThermador、Bosch、Gaggenau、Mieleといった高級家電を使用した大規模プロジェクトへの対応です。HPMはこれまで主に住宅用資材が中心でしたが、今回の買収により大型プロジェクトや高級物件への対応力が一気に向上しました。
HPMデザインセンターの現在地と未来
ホノルルの「HPMデザインセンター」は現在、HPM唯一の独立型ショールーム。他の店舗(ネイバーアイランドのHPM店舗内)とは異なり、都市部の顧客層に向けた専門性の高い展示を展開しています。
HPM会長兼CEOのジェイソン・フジモト氏によれば、「今まで構造材や建築外枠が中心だったが、これからはインテリアなど“魅せる部分”も提供できる」とのこと。つまり、家の骨組みだけでなく“デザイン性”を提案できる企業へと変化しようとしているのです。
取り扱いブランドも高級志向に
今回の展開で注目すべきは、HPMの取り扱い商品が大幅にグレードアップした点です。アメリカ・ワシントン州のBellmont、イタリアのErnestomeda、日本のTOTO製バスルーム備品など、国際的な高級ブランドがラインナップに加わりました。
さらに、地元製造のAkamai Cabinetsやイタリア製SmartCucinaなど、独自ブランドとの組み合わせによって、幅広い価格帯とスタイルに対応することが可能になっています。
手間なくマイホームを実現「HPMホームズ」
HPMの新たなサービスとして注目されているのが、「HPMホームズ」。これは事前設計されたパッケージ型住宅プランで、ADU(付属住宅ユニット)としても利用可能です。1~2ベッドルームの選択肢があり、建築家に依頼せずともプランの選択・デザイン・修正・内装選びまでをワンストップで完結できます。
このプログラムにより、特に初めて家を建てる人にとっては、費用や時間を抑えながら理想の住まいを実現するチャンスが広がっています。
HPMの未来に注目
今回の高級市場進出は、単なる品揃えの変化にとどまらず、HPM全体のビジネスモデルの進化を示しています。住宅の「骨組み」から「魅せる空間」へ。HPMは今後、ハワイの住宅・不動産市場において、よりトータルなソリューションを提供する存在として、地元の工務店や施主からの信頼をさらに高めていくことでしょう。
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