【ハワイ発】Oribe Tea Co.が描くローカル農業とティー文化の未来

ローカルの味をもっと広めたい——Hilo発のお茶ブランドに惹かれる理由

私は普段、仕事の合間や週末に冷たいお茶を飲むのが好きで、特にハワイ産のフレーバーに出会えるとなんだか嬉しくなります。そんな中で出会ったのが、Hiloを拠点とする「Oribe Tea Co.(オリベ・ティー・カンパニー)」。このブランドは、ただのお茶屋さんではなく、**“地元の農産物と人々をつなげる”**という明確な理念をもって活動しているのが印象的でした。

パッケージも洗練されていて、ハイビスカスミントやマンゴー、ジンジャーライムなどのユニークなフレーバーが並ぶと、選ぶだけでも楽しくなります。しかもその多くがハワイ産の素材を使っていて、飲むたびに“ローカルの風景”が浮かんでくるような感覚になります。

最近ではハワイ州内に加えて、アメリカ本土にも販路を広げているそうで、今後の展開に注目しています。ローカルの農業とティー文化がどのように融合していくのか——今回はOribe Tea Co.の取り組みを詳しくまとめました。





ローカルの素材と土地への敬意

Hilo発・Oribe Tea Co.の理念と背景

Oribe Tea Co.は、植物学と園芸学のバックグラウンドを持つティム・ジョンソン氏が2015年に設立した、ハワイ・ヒロ拠点のティーブランドです。冷茶(コールドブリュー)とリーフティー(茶葉)を中心に展開し、主なフレーバーは以下のようなラインナップです。

  • ハイビスカスミント
  • マンゴー
  • ジンジャーライム
  • ママキ(ハワイ固有の健康茶)

これらのフレーバーのほとんどが、ハワイ産の農産物を使用しており、「地元の素材を使い、土地と人をつなぐ」ことが企業ミッションとされています。

製品はすべてヒロで製造され、小規模なローカル農家から仕入れた原料を中心に使用。ジョンソン氏は「土地に敬意を払い、コミュニティを支援し、風土にインスパイアされたお茶作りを目指している」と語っています。


州内外で広がる販路と今後の展望

販路拡大とコスト面での課題

Oribe Teaは現在、ハワイ州内外で約200の小売店に卸販売を行っており、Eコマースや飲食店・業務用販売も行っています。将来的にはCostcoを通じた本土展開や、新たなリテールパートナーの開拓にも取り組む予定です。

一方で、物流コストの高さや生産スケール拡大に必要な設備投資など、地方発ブランドならではの課題も抱えています。ジョンソン氏は「投資家探しや適切な機材の導入に苦労した」と語り、試行錯誤を経て乗り越えてきたといいます。


地元起業家ネットワークの力

コミュニティとのつながりが成長の鍵

ハワイの起業家コミュニティの中で、経験や学びを「トーキング・ストーリー(ハワイのローカル文化で“語り合う”こと)」を通じて共有する文化がOribe Teaの成長を後押ししています。

ジョンソン氏は「人とのつながりが、個人的にもプロフェッショナルにも大きな力になる」と話し、ハワイという土地ならではの人的ネットワークの重要性を強調しています。


自社茶園プロジェクト始動へ

自社栽培による持続可能なビジョン

Oribe Teaでは、今後3〜5年の計画として自社茶園(ママキ・緑茶)を設立し、原料の持続可能な供給体制を構築する構想もあります。これにより、品質管理の強化と地産地消の深化が期待されています。

ローカル農業の支援という軸をブレさずに、ハワイの味を世界へ届けるというOribe Teaの挑戦は、今後さらに注目されていくでしょう。


Oribe Tea Co.が示すハワイの農業×ブランドの可能性

ハワイという土地には、観光だけではない多くの可能性があります。Oribe Tea Co.のように、ローカル農業と食品加工を結びつけ、全国・世界へと販路を広げるブランドは、その象徴的な存在です。

私たちが飲む一杯のお茶の裏側に、どんな人が関わり、どんな土地で育てられた素材が使われているのか。そのストーリーが感じられるからこそ、Oribe Teaは特別だと感じます。

地元の味を尊重し、それを現代的な方法で発信する。そんな企業がもっと増えたら、ハワイの経済も持続可能な方向へ進むのではないでしょうか。

参照:
Pacific Business News

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