ハワイ島の名門リゾートがさらに進化へ。リゾート業界の回復と投資の象徴
私はハワイ・オアフ島に住んでいますが、ハワイ島の「フェアモント・オーキッド」はいつか家族旅行で泊まってみたい憧れのリゾートの一つです。そのフェアモント・オーキッドが、現在進行中の1億1000万ドル規模の大規模改修と並行して、1億3600万ドルの再融資を確保したというニュースが飛び込んできました。
この再融資は、ハワイの高級ホスピタリティ業界の堅調な回復を裏付けるものとして、業界関係者の間でも大きな注目を集めています。
改修中のフェアモント・オーキッドが1億3600万ドルを調達
■ 融資金額:
1億3600万ドル(約216億円)
■ 融資元:
New York Life Insurance Company(ニューヨーク・ライフ)
■ 仲介:
JLL(Jones Lang LaSalle)
- Kevin Davis(CEO, JLL America)
- Mike Huth(マネージングディレクター)
- Maddie Blount(シニアアソシエイト)
- Jade Lewin(アナリスト)
■ 融資期間:
5年間
今回の融資は、韓国の大手投資会社Mirae Asset Global Investments(未来アセット)が保有するフェアモント・オーキッドに対して行われたもので、JLLが融資の仲介役を務めました。
改修プロジェクトの概要と進捗状況
■ 改修総額:
1億1000万ドル(約175億円)
■ 改修対象:
- 全540客室の改装
- クラブラウンジの再設計
- ハワイ文化と自然を意識したデザイン刷新
■ 改修期間:
2022年から開始
第1フェーズは2025年末までに完了予定
フェアモント・オーキッドの営業・マーケティングディレクター、クリス・セッションズ氏はこう述べています:
「このリニューアルはハワイの自然美と文化遺産から深くインスピレーションを受けており、その要素を細部にまで取り入れました。1990年の開業以来、ラグジュアリースタンダードを維持するために継続的な更新を行ってきました。」
オーナー「未来アセット」の戦略とは?
■ オーナー企業:
Mirae Asset Global Investments(韓国・ソウル本社)
■ 総運用資産:
約6140億ドル(うち不動産関連:約160億ドル)
■ 所有するフェアモント物件:
- フェアモント・オーキッド(ハワイ島)
- フェアモント・サンフランシスコ(米国)
Mirae Assetにとって、ハワイ島のこのリゾートは唯一のハワイ拠点であり、今回の改修と再融資は、長期的な投資方針の一環と捉えられます。
投資家と融資元が示す「ハワイ高級リゾート」への信頼
JLLアメリカのCEOであるケビン・デイビス氏は、以下のように述べています:
「フェアモント・オーキッドの優れた立地、安定したキャッシュフロー、改修プロジェクトの存在が、複数の貸し手の関心を集めました。この資産に対する信頼、そしてハワイの高級ホスピタリティ市場の回復力を示すものです。」
このようなコメントは、パンデミック後の観光業回復が本物であることを金融市場が認識している証拠でもあります。
フェアモント・オーキッドとは?
所在地:
ハワイ島ワイコロア(コハラ・コースト)
開業:
1990年
特徴:
- ビーチフロントの絶好のロケーション
- 高級感とハワイらしさを兼ね備えた建築・内装
- スパ、ゴルフ、プールなどリゾート設備が充実
- 企業イベントやウエディング利用も豊富
ハワイ島はオアフ島に比べて開発圧が低く、自然との調和を重視したラグジュアリーリゾートが好まれています。その中でもフェアモント・オーキッドは、世界中の富裕層に支持される名門ホテルです。
ハワイ不動産・観光投資の現在地と展望
このような大規模融資や改修プロジェクトの実行は、ハワイ不動産市場にとって以下のような意味を持ちます:
- 高級リゾート物件への需要は依然として強い
- 海外資本の長期的な視野による投資が継続
- 金融市場はハワイ観光業の復活に確信を持ちつつある
私たち住民にとっても、こうした投資は経済の活性化や雇用創出に貢献する要素です。ただし、ローカル文化や環境への配慮も同時に求められる段階に来ています。
まとめ:フェアモント・オーキッドの進化はハワイの未来を映す鏡
今回の再融資と改修は、ハワイの高級観光産業が持続的な成長軌道に戻っていることを示す象徴的な動きです。
観光客として訪れるだけでなく、地元に暮らす一員として、「どのような観光がこれからのハワイにふさわしいのか」を考えるタイミングでもあると感じました。
ハワイの魅力は、ただのラグジュアリーではなく、文化と自然の共生にこそあります。それを守りながら発展するホテルが増えていくことを願います。
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