全米で通勤時間が再び増加中:都市ごとの違いとは?

通勤時間が長くなるって、本当に生活に影響しますよね

最近、通勤にかかる時間がまたじわじわと伸びているというニュースを見て、私自身も他人事とは思えず興味深く読みました。私はハワイ・オアフ島のホノルルで仕事をしているサラリーマンですが、幸運なことに完全リモートワークが続いているため、いわゆる「通勤時間」はほぼゼロです。

それでも、パンデミック以前には私も毎日片道30分近くかけて通勤していた時期がありました。そのときは、朝夕の渋滞や公共交通機関の混雑にストレスを感じ、自由な時間が削られていく感覚にフラストレーションがたまっていました。通勤時間が長いと、単純に生活の質が下がるんですよね。仕事に使うエネルギーが削られ、趣味や家族との時間も圧迫される。だからこそ、このニュースは私たちの働き方や暮らし方を見直す大きなヒントになると思います。

今回の調査では、コロナ禍によって一時的に短縮された通勤時間が、企業のオフィス回帰の動きによって再び伸びつつあることが明らかになりました。とはいえ、都市によって差は大きく、工夫次第で短い通勤時間を維持できている地域もあるようです。この記事では、最新データをもとにアメリカ各地の通勤事情を詳しくまとめてみました。





全米の平均通勤時間の変化

コロナで短縮→オフィス回帰で再び増加

コワーキング管理プラットフォーム「Yardi Kube」によると、アメリカ人の平均通勤時間は以下のように推移しています。

  • 2019年:27.6分
  • 2021年:25.6分(過去最低)
  • 2022年:26.4分
  • 2023年:26.8分

つまり、パンデミック中に一時的に短縮されたものの、2022年から再び増加に転じ、2023年には2017年の水準(26.9分)に戻りつつあります。この2年間での増加幅(+1.2分)は、同社の分析史上最大とのことです。

これはリモートワークの減少とオフィス回帰の動きが影響しています。Yardi Kubeのデータによれば、リモートワーク率は以下のように変化しています。

  • 2019年:5.7%
  • 2022年:17.9%(ピーク)
  • 2023年:13.8%

今後さらにリモート勤務者が減少すれば、通勤時間は今以上に伸びる可能性があります。


オフィス回帰の動きが本格化

各種調査で示される「出社命令」の増加

出社を求める動きは着実に広がっています。

  • Owl Labs調査(2025年)
    企業が出社命令を出した、または出社日数を増やしたと答えた労働者は全体の47%。Z世代に限ると82%にも上ります。
  • Littler法律事務所の調査
    48%の企業が「すでに出社を増やした」または「増やすことを検討中」。ハイブリッド勤務でも出社日を増やす企業は29%。
  • The Conference Board調査(2025年)
    出社義務を導入している企業は56%。前年(2023年)の12%から大幅増です。


企業側としては業務効率の観点や組織文化の維持を理由に、出社を求める傾向が強まっているようです。


都市別の平均通勤時間ランキング

短時間通勤都市とその理由

Yardi Kubeの調査では、以下の都市が「通勤時間が短く住みやすい」と評価されています。

都市名平均通勤時間(2023年)
タルサ(オクラホマ州)19.1分(全米最短)
ウィチタ(カンザス州)19.3分
オマハ(ネブラスカ州)20.0分
メンフィス(テネシー州)20.9分
ミネアポリス(ミネソタ州)21.0分


これらの都市では、地方都市ならではの交通渋滞の少なさや、リモートワーク移住者を積極的に呼び込んでいる政策などが功を奏していると見られています。


通勤時間が長い都市ランキング

大都市圏はやはり長時間通勤が常態化

一方、通勤時間が最も長い都市は以下の通りです。

都市名平均通勤時間(2023年)
ニューヨーク市40.1分(全米最長)
シカゴ33.0分
ロサンゼルス31.4分


特にニューヨークの40分超は、日々の生活の質に大きな影響を与えるレベルです。公共交通機関の混雑や郊外からの長距離通勤が背景にあると考えられます。


リモートワークの未来と通勤の再定義

米国労働省や複数の企業調査によれば、2025年時点でも約10~12%のアメリカ人が何らかの形でリモート勤務を行っているとされます。

Gable社と経済学者の共同調査では、**57%**の労働者が2020年以降に少なくとも1回の出社命令を経験し、**38%**が2回以上の「RTO(Return to Office)」命令を受けたと回答。

一部では、JPMorganAmazonのような大手企業がオフィス回帰を強く推進していますが、現場では設備不足や通勤問題がボトルネックとなり、スムーズな移行が難航している例もあります。


通勤のストレスを軽減するには?

都市の選択、勤務形態の交渉、移住という選択肢も

通勤時間の長さは、人生の満足度や健康にまで関わる重要なファクターです。これを軽減するためには以下のようなアプローチが考えられます。

  • ハイブリッド勤務や完全リモート勤務の交渉
  • 通勤時間が短い地域への移住検討
  • 通勤時間を活用できる手段(オーディオブックなど)の導入
  • 職場選びの際に立地を重視する

仕事の選び方や住まいの選択が、これまで以上にライフスタイル全体に与える影響が大きくなっていると言えるでしょう。


まとめ:通勤時間の「再定義」が始まっている

パンデミックをきっかけに広がったリモートワークが縮小する中、私たちは「通勤時間とは何か」を改めて問い直す局面に立たされています。

快適な働き方を実現するためには、通勤のストレスを減らす工夫や、都市選び、会社選びがますます重要になってくるでしょう。生活の質を守るために、どんな働き方をしたいのか、一人ひとりが見つめ直すタイミングが来ているのかもしれません。

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