カウアイ島がハワイ初の全島光ファイバー化を達成!次はどこ?

ハワイの未来を感じた「カウアイ島全島ファイバー化」のニュース

ハワイに住んでいて、「ネットが遅い」と感じたことは何度もあります。特にZoom会議が途中で切れる、ストリーミングが止まる、という経験は、IT業界に身を置く私にとってもストレスでした。でも、そんな状況が大きく変わろうとしていることを、今回のニュースで実感しました。

なんと、カウアイ島全域が光ファイバーによって高速インターネットに対応するようになったのです。これは、ハワイ4大島の中で初の快挙。日本と比べて通信インフラが遅れていると思われがちなハワイで、こうした大規模な通信網整備が着実に進んでいるというのは、ITに関わる人間として本当に嬉しいニュースです。

特にリモートワーク、AI活用、クラウドベースの教育や医療といった現代的なサービスが求められる今、安定した高速通信は「贅沢」ではなく「インフラ」。今回の取り組みは、地方の未来にも希望を与える取り組みだと感じました。





カウアイ島、ハワイ初の全島光ファイバー完備地域に

2025年7月、Hawaiian Telcomはカウアイ島全域における光ファイバーインフラの整備完了を発表しました。これにより、ハワイ4大島(オアフ島、マウイ島、ハワイ島、カウアイ島)の中でカウアイが初の完全光ファイバー化を達成したことになります。

同社は、ハワイ州全体を2026年までに完全ファイバー化することを目標としており、現時点で州内の65%(約43万件のロケーション)がすでに対応済みとのこと。今後は、マウイ島が2025年末、オアフ島とハワイ島が2026年までの完了を目指しています。


総額17億ドル、15年以上にわたる長期プロジェクト

このインフラ整備プロジェクトは2010年から始まり、2026年の完成時には総額17億ドル(約2700億円)が投じられる予定です。注目すべきは、その多くがHawaiian Telcom自身によって資金調達されている点。他州のように連邦政府の補助に依存しない姿勢が、ハワイが全国で最初に全州光ファイバー対応を達成する鍵となっています。

Hawaiian Telcom副社長のジェイソン・スーン氏は「ハワイでできるなら、アメリカ本土でもできる」と述べ、地理的課題を乗り越えた取り組みに誇りを持っています。


教育・医療・ビジネスを支えるインフラへ

光ファイバーによって提供される高速インターネットは、単なるエンタメ向けではありません。特に、**教育・医療・ビジネスのDX(デジタルトランスフォーメーション)**を支える基盤として不可欠です。

例えば、カウアイ・コミュニティカレッジの学生の半数はオンライン授業を受講しており、安定したインターネット環境がなければ学習に支障をきたします。また、卒業後はオアフやハワイ島の大学にオンラインで編入するケースも多く、地元にいながら学士号を取得する道が広がっているのです。


地元経済と「定住」を支える光ファイバーの力

カウアイ・コミュニティカレッジの学長マーガレット・サンチェス氏は、「島に残って学士を取得することで、地元の職場に繋がり、定住につながる」と話しています。

高速通信環境が整うことで、若者が島を離れずに成長し、地元で働き続ける未来が見えてきます。観光に依存しがちなハワイ経済において、こうした人材育成と定着の流れはとても重要です。


企業やAI活用の加速にも貢献

今回のファイバー整備により、AIやクラウド技術を活用した企業活動も加速することが期待されます。Hawaiian Telcomも「AIの統合やデータ集約が進む中、光ファイバーによる高速通信は欠かせない」とコメントしています。

ビジネス環境の進化により、離島でもスタートアップやリモートビジネスが成立しやすくなる可能性も広がってきました。


Connect Kakouプログラムと官民連携の重要性

ハワイ州副知事シルビア・ルーク氏は、「連邦補助金が減る中、企業との連携が不可欠」と述べています。今回のようにHawaiian Telcomの自助努力によってインフラ整備が進むことは、**Connect Kakou(コネクト・カコウ)**という州の取り組みを後押しするものでもあります。


まとめ:インターネットの未来は「島」から始まる

カウアイ島の光ファイバー整備完了は、単なる通信インフラの話にとどまりません。教育・医療・経済を支える土台として、そして“ハワイに暮らしながら世界とつながる”新たな可能性の象徴でもあります。

「リゾート地」というイメージが強いハワイですが、実はこうした地道な技術革新が地域の未来を支えているのです。私たちIT業界にとっても、これは誇るべき進歩だと心から思います。

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