ヒロ・ハワイアン・ホテルがウィンダムグループ傘下に、ハワイ初の「トレードマーク・コレクション」誕生

地元密着型ホテルが世界ブランドに仲間入り、その意義とは

私がハワイ、特にオアフ島ホノルルに住んでいて感じるのは、観光業のダイナミックな変化と、それがローカル社会に与える影響の大きさです。最近、ハワイ島のヒロで歴史ある「ヒロ・ハワイアン・ホテル」が、ウィンダム・ホテルズ&リゾーツの「トレードマーク・コレクション」の一員となったというニュースがありました。これは、実はハワイで初の事例だそうです。

私にとってヒロは、オアフのような華やかさとは一線を画し、ローカルな温かさや自然の美しさが色濃く残る場所という印象があります。そのヒロにある老舗ホテルが、世界的なホテルチェーンに加わることで「地元らしさが失われるのでは」と懸念する方もいるかもしれません。ですが、今回の提携は、むしろ地元の魅力を世界に発信しつつ、ホテルサービスの質を底上げする狙いがあるのです。

ヒロ・ハワイアン・ホテルの運営は変わらず「キャッスル・リゾーツ&ホテルズ」が担い、さらに地元企業や投資家が引き続きオーナーとして関与しています。つまり、単なる買収や外資への売却ではなく、「グローバルな販路とブランド力を取り入れつつ、地元に根ざしたホテル経営を続ける」というハイブリッドなモデルです。これが今の時代における観光産業の新しい形だと私は感じます。

また、ウィンダムのグローバルなネットワークやマーケティング支援、そして会員プログラム「ウィンダム・リワーズ」の導入で、ヒロに足を運ぶ観光客がさらに増えることも期待されます。私も、次回ヒロを訪れる際には、このホテルの変化を体感してみたいと思います。




ヒロ・ハワイアン・ホテル、ウィンダム傘下へ

ハワイ初の「トレードマーク・コレクション」に

ヒロ・ハワイアン・ホテルは、アメリカ・ニュージャージー州に本社を置く「ウィンダム・ホテルズ&リゾーツ」のブランド「トレードマーク・コレクション」の一員となり、ハワイ州で初の同ブランドホテルとなりました。新たなブランド名は「Hilo Hawaiian Hotel, Trademark Collection by Wyndham」となります。

「トレードマーク・コレクション」とは、ウィンダムが展開する独立系ホテル向けのブランドで、各ホテルが独自の特色や地域性を保ちながら、ウィンダムのグローバルネットワークや顧客基盤、マーケティング支援を受けられる仕組みです。

運営は変わらず、キャッスル・リゾーツ&ホテルズ

ホテルの運営は、これまでと同様に「キャッスル・リゾーツ&ホテルズ」が担当し、同社はオーナー企業の一角でもあります。キャッスル・リゾーツ&ホテルズは、35年以上にわたり同ホテルの運営を担っており、2010年には投資会社CarVal Investorsから1730万ドルでホテルを取得しています。

キャッスル・リゾーツ&ホテルズはハワイ諸島やニュージーランド・オークランドに複数のホテルやリゾートを展開しており、地域に根ざした運営ノウハウを強みとしています。

ウィンダムとの提携で期待される効果

キャッスル・リゾーツ&ホテルズのマット・ベイリーCEOは、ウィンダムとの提携について「グローバルな販売網、マーケティング支援、そして受賞歴のある会員プログラム『ウィンダム・リワーズ』へのアクセスが可能になり、ゲスト体験の向上とホテルの認知拡大につながる」とコメントしています。

また、ヒロ・ハワイアン・ホテルのマット・ピケット総支配人も「国際的なブランド力を得る一方で、私たちのカマアイナ(地元民)フレンドリーな姿勢は変わらない」と述べ、地元客への配慮も忘れていないことを強調しています。

バニアンドライブ沿い、286室の老舗ホテル

ヒロ・ハワイアン・ホテルはハワイ島ヒロのバニアンドライブ沿いに位置し、286室を有するホテルです。地元企業RAM Corporationや著名弁護士リック・フリード氏もオーナーとして参画しており、ヒロの地域経済に根差した存在です。

このホテルは、マウナケアやアカカ滝などの観光地へのアクセスも良好で、観光・ビジネス両方のニーズに応えられるロケーションが魅力です。

地元に根ざしたまま国際ブランド化の波

今回の提携により、ヒロ・ハワイアン・ホテルは国際的な認知度を高めつつ、これまで築いてきた「地元らしさ」「親しみやすさ」を保ち続けることが求められます。観光客の増加が期待される一方で、地元コミュニティとの共存や環境保全など、地域に対する配慮も重要です。

ヒロはハワイ島の自然や文化が色濃く残る貴重な場所。そうした土地の魅力を最大限活かしながら、ホテルとしてどのように進化していくのか、私もホノルルから注目していきたいと思います。

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