『Sharing Aloha』が伝える本物のアロハスピリット

アロハが生きる場所、それがポリネシア・カルチャー・センター

私がホノルルで生活をしていて強く感じるのは、「アロハ」という言葉が単なる挨拶ではなく、深く根付いた文化的価値観であるということです。観光客向けの表面的なものではなく、本物のアロハスピリットに出会える場所として、オアフ島ノースショアにある「ポリネシア・カルチャー・センター(PCC)」は特別な存在です。

先日、そのセンターを舞台にしたドキュメンタリー映画『Sharing Aloha(シェアリング・アロハ)』の予告編が公開されたというニュースを目にし、思わず胸が熱くなりました。というのも、このセンターは私たちローカルにとっても、そして訪れる旅行者にとっても、ただの観光地ではなく、文化と心の交流の場だからです。

私は実際に何度か訪れたことがありますが、訪れるたびに感じるのは、そこで働く人たちの真摯な姿勢と、文化を守り、伝えようとする強い想いです。その背景には、教育支援や若者の未来を支えるという、深いミッションがあることを今回の映画は改めて教えてくれるのだと感じました。

『Sharing Aloha』という作品タイトルには、ポリネシアの人々が日々実践している「分かち合い」の精神が込められているのでしょう。この作品がローカルだけでなく世界中に公開されることで、アロハスピリットがさらに広がっていくことを、心から願っています。





ドキュメンタリー映画『Sharing Aloha』とは?

ハワイから世界へ、アロハの心を届ける

2025年7月22日、トゥルー・エンターテイメント社はポリネシア・カルチャー・センター(PCC)を舞台にしたドキュメンタリー映画『Sharing Aloha』の予告編を公式に公開しました。この映画は、センターの根幹にあるミッション――ポリネシア文化の保存と継承――を映像作品として感動的に描いたものです。

本編は2025年8月29日(金)より、ホノルルのWard Consolidated Theatresにて一般公開される予定です。


予告編が描くアロハスピリット

映画の予告編は、特設サイトSharingAlohaTheMovie.comにて現在公開中で、60年以上にわたり地域に愛され続けてきたPCCの舞台裏を垣間見ることができます。そこには、観光アトラクションという枠を超えた「人と文化のつながり」が生きています。

ポリネシアの多様な文化、伝統舞踊、言語、生活様式を守りながら、それを学生やスタッフが未来へと継承していく姿は、見る者の心を揺さぶることでしょう。


監督と関係者が語る作品への想い

ポリネシア・カルチャー・センターのCEOであるアルフレッド・グレース氏は、映画について次のように語っています。

「『Sharing Aloha』は、単なる映画ではありません。私たちがセンターを通して人々に伝えている“アロハ・スピリット”の本質を映し出す作品です。」


また、映画のプロデューサー兼監督を務めたブレア・トゥルー氏は、作品についてこう述べました。

「この映画は、ポリネシアの人々とアロハのパワーへのラブレターです。」


このコメントからも分かるように、映画は単なる文化紹介にとどまらず、感情と人間関係、アイデンティティの探求といった普遍的なテーマを内包しています。


プレミア上映と今後の展開

本編公開に先立ち、8月20日(水)にはワード・コンソリデーテッド・シアターズにて、レッドカーペットイベントとプレミア上映が開催される予定です。このイベントには、映画製作に関わった受賞歴のあるクリエイター陣や、PCCの学生・卒業生も参加するとのことです。

これにより、センターが地域社会のみならず、グローバルな舞台でどのようなインパクトを与えているかを、多くの人が実感することになるでしょう。


ポリネシア・カルチャー・センターとは

ポリネシア・カルチャー・センターは、オアフ島ノースショアのライエに位置し、1963年の開園以来、世界中から訪れる観光客や地元住民にポリネシア文化の魅力を伝えてきました。

ショーや体験型アクティビティ、工芸展示などを通して、タヒチ、サモア、フィジー、トンガ、ハワイ、アオテアロア(ニュージーランド)など、各地域の特色を紹介しています。センターの運営は非営利であり、その収益はすべて、隣接するブリガムヤング大学ハワイ校の学生の学費補助に充てられています。

この点からも、「観光施設」でありながら、教育・文化・地域貢献という複数の役割を果たしている極めてユニークな施設と言えるでしょう。

詳しくは公式サイトをご覧ください。


文化を支える“人”の物語にこそ価値がある

『Sharing Aloha』は、見どころ豊富な文化紹介に加えて、PCCに関わる「人々」に焦点を当てている点が最大の魅力です。文化の継承は、決して博物館の中だけで完結するものではありません。日々、文化と向き合い、語り継ぎ、実践する「生きた人々」の努力によって支えられています。

映画の中では、学生、スタッフ、卒業生といった異なる立場の人々が、それぞれどのようにポリネシア文化と向き合い、自身の人生を重ねてきたのか、その“ジャーニー”が丁寧に描かれています。


ハワイを訪れるなら、PCCで“本物”に触れてほしい

ホノルルに住む私としては、PCCはぜひ訪れてほしい場所の一つです。ただの観光では終わらない、「心に残る体験」が待っているからです。そして、もしタイミングが合うなら、映画『Sharing Aloha』を観てから訪れることをおすすめします。そうすれば、そこに流れるアロハの意味をより深く理解できるはずです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました