Na Mea HawaiiがCNHA傘下へ。文化と経済の未来が交差する注目の買収劇

ローカルと伝統が融合する場、Na Mea Hawaiiのこれからに期待

ホノルルに暮らしていると、街の中に「ハワイらしさ」が溶け込んでいる空間に出会うことがあります。中でも、Ward CentreにあるNa Mea Hawaiiは、まさにそんな場所のひとつ。ここは単なるショップではなく、地元アーティストや作家による作品が集い、文化とアイデンティティを共有するための大切な場所です。

そんなNa Mea Hawaiiが、**Council for Native Hawaiian Advancement(CNHA)**の傘下に入ったというニュースを知り、個人的には非常にポジティブな展開だと感じました。

というのも、CNHAはハワイ先住民の文化的・経済的自立を支援する非営利団体であり、単なる経営母体というよりも「価値を共有するパートナー」として、Na Mea Hawaiiに新たな可能性をもたらしてくれると確信できるからです。

買収と聞くと、店舗の雰囲気や方向性が変わってしまうのでは?という懸念も出てきそうですが、今回の動きを見る限り、むしろ**“変わらず、より強く”**という方針が打ち出されている印象です。ローカルの誇りと文化を守る場として、今後も私たちにインスピレーションを与えてくれる存在でいてほしいですね。





CNHAがNa Mea Hawaiiを正式に買収

文化の継承と経済支援の二軸で強化へ

2025年7月、CNHA(Council for Native Hawaiian Advancement)は、地元に根ざしたリテーラーNa Mea Hawaiiを買収したと発表しました。買収額や契約の詳細は非公開ですが、Na Mea Hawaiiは今後も現在の店舗(Ward Centre)で営業を継続し、従業員8名全員が引き続き雇用されるとのことです。

Na Mea Hawaiiは約20年前にマイレ・マイヤー氏によって設立された店舗で、地元アーティストの商品、ハワイの文化や歴史に関する書籍、教育素材などを幅広く取り扱っています。


文化とビジネスの融合を目指す買収

「これはただの買収ではなく、文化の未来を守るプロジェクト」

CNHAのCEOであるクヒオ・ルイス氏は、今回の買収について次のように語っています。

「これは単なる小売業の話ではありません。文化の継承、経済的エンパワーメント、そしてネイティブハワイアンの価値観が先導するビジネスエコシステムの創出に関することなのです。」

この発言からもわかるように、買収の背景には「利益優先」ではなく、「ハワイの文化と地域の未来を支える」という明確なビジョンがあります。


マイレ・マイヤー氏は今後も顧問として関与

継続性と安心感のある移行体制を構築

創業者のマイヤー氏は、買収後もコンサルタントとしてCNHAと連携し、スムーズな事業移行と文化的継続を担っていく予定です。

彼女は次のようにコメントを発表しています。

「Na Mea Hawaiiの次の章は、私たちが大切にしてきた価値——マラマ・アイナ(自然への思いやり)、イケ・クプナ(祖先の知恵)、アロハの心——の継続です。」



CNHAとは?ハワイ先住民支援の中核的団体

文化、経済、政策、コミュニティ開発を総合的に支援

CNHAは、ネイティブハワイアンの生活向上を多角的に支援する非営利団体です。主な取り組みは以下の通り:

  • ビジネスアクセラレータープログラム
  • ローカルメーカー向けオンラインマーケットプレイス
  • 事業支援・資金調達支援
  • 住宅支援・観光施策・政策提言活動

今回の買収により、これまで地域密着で行われていたNa Mea Hawaiiの活動が、CNHAの広範なインフラやリソースを活用して拡張される可能性が出てきました。


地元で根を張ってきたNa Mea Hawaiiの価値

文化の“体験”ができる場所としての魅力

Na Mea Hawaiiは、単に商品を買う場ではありません。私自身も訪れるたびに感じるのは、本や工芸品を通してハワイの歴史や文化に触れることができる「学びとつながりの空間」であるということ。

観光客向けのお土産店とは一線を画し、**本質的なハワイ文化を伝える「拠点」**として長年愛されてきた理由がそこにあります。


今後に期待される展開

ローカルと観光の架け橋としての役割も強化へ

CNHAの広報によると、Na Mea Hawaiiのブランドアイデンティティはそのままに、より多くの地域や世代に文化を届ける仕組みを強化していくとのこと。

  • 観光客向けの教育的な体験プログラム
  • オンライン販売の強化
  • イベントやワークショップの拡充

こうした展開は、ローカルビジネスと観光経済、そして文化保護の**“三方よし”**を実現する可能性を秘めています。


文化を“守る”から“育てる”へ。CNHA × Na Meaの未来に注目

Na Mea Hawaiiの今回の買収劇は、単なる経営判断ではなく、ハワイに生きる人々の精神と未来を支える大きな一歩です。経済と文化は時に相反するように見えることもありますが、価値を共有するパートナーシップがあれば、両立は可能であるという好例ではないでしょうか。

ホノルルに住む者として、そしてハワイの文化に敬意を抱く一人として、これからのNa Mea Hawaiiにますます期待が高まります。


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