ハワイアン航空、大阪発ホノルル便でバイオ燃料導入:日本産SAFで脱炭素化へ一歩前進

ハワイと日本を結ぶ空に新しい挑戦

ハワイと日本を結ぶフライトは、観光・ビジネス双方において非常に重要な役割を担っています。私自身もホノルル在住として、日本への帰国時や家族の訪問などでハワイアン航空を利用することが多いのですが、環境への負荷が気になるのも正直なところです。特に長距離フライトは二酸化炭素排出量が多く、航空業界全体での脱炭素化が急務となっています。

そんな中、ハワイアン航空がついに新たな一歩を踏み出しました。大阪(関西国際空港)とホノルルを結ぶ便で持続可能な航空燃料(SAF:Sustainable Aviation Fuel)を初めて導入することを発表したのです。これは、ハワイアン航空を傘下に持つアラスカ・エア・グループ(Alaska Air Group Inc.)と、日本のコスモ石油マーケティング株式会社とのパートナーシップによる取り組みです。

この発表は、単なる環境施策ではなく、航空業界が本格的に脱炭素化に向けて動き出していることを象徴するニュースといえるでしょう。





SAFを大阪・ホノルル便で初導入

今回導入されるSAFは、日本国内で回収された使用済み食用油を原料に製造されます。製造は、Saffaire Sky Energy LLCという企業連合が担当。
この企業は、コスモ石油、JGCホールディングス、REVOインターナショナルの3社が共同で設立したジョイントベンチャーで、環境負荷の低い燃料を安定的に供給することを目指しています。

今回のSAF導入の背景には、日本政府の**新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)**による補助金制度があり、サプライチェーン構築を後押ししています。これにより、航空燃料の国産化が進み、国内での循環型社会の実現にもつながります。

SAFは国際的な持続可能性基準を満たしており、

  • ISCC CORSIA認証
  • ISCC EU認証

を取得済み。国際的にも通用する高い品質と環境基準を兼ね備えた燃料です。


コスモ石油グループの取り組み

コスモ石油は単に燃料を供給するだけではなく、家庭から出る廃食用油をガソリンスタンドで回収するプログラムを開始。地域社会と連携して原料確保を行い、持続可能な燃料生産体制を築こうとしています。

コスモ石油マーケティング株式会社の社長である高山直樹氏は、次のようにコメントしています。

「SAFは航空業界の脱炭素化において不可欠な存在です。アラスカ航空やハワイアン航空とそのお客様に貢献できることをうれしく思います。今後もこの取り組みを皮切りに、SAFの利用促進を通じて、脱炭素社会の実現を目指してまいります。」

この発言からも、単なるビジネスの枠を超えて、社会全体を巻き込んだ長期的な視野での取り組みであることが伝わってきます。


ハワイアン航空の環境へのコミットメント

ハワイアン航空および親会社であるアラスカ航空は、2040年までにネットゼロカーボン排出を達成するという目標を掲げています。そのために以下の施策を進めています。

  • SAF(持続可能な航空燃料)への積極的投資
  • 最新鋭機材への更新による燃費向上
  • 先端技術を活用した運航効率化

実は、アラスカ航空はバイオ燃料分野で先駆的な実績を持っています。2013年にはハワイの企業とバイオ燃料購入契約を締結し、2019年にはボーイング社のバイオ燃料実証プログラムに初参加するなど、長年にわたり継続的な研究と導入を進めてきました。

今回の大阪便へのSAF導入は、そうした長年の取り組みの延長線上にあり、ハワイアン航空にとっては大きな節目といえるでしょう。


ハワイと日本の架け橋として

日本からハワイへの旅行は、家族旅行や新婚旅行など、一生の思い出となる特別な時間です。その大切なフライトが、環境にやさしい形で運航されることは、私たち利用者にとっても誇らしいことです。

特に、廃食用油という私たちの日常生活から出る資源が、ハワイ行きの飛行機の燃料となるというのは、とても象徴的な循環の形だと感じます。

この取り組みが広がれば、ハワイと日本を結ぶ空の旅が、よりサステナブルで安心できるものになるでしょう。


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