ハワイに住んでいると実感する「大富豪の島の買い方」
私がホノルルに住んでいるからこそ実感するのですが、ここハワイは世界的な富豪たちにとって「別荘」や「資産保有」の象徴的な場所です。最近もニュースになりましたが、オラクル創業者でラナイ島のオーナーでもあるラリー・エリソン氏がフォーブスの長者番付で世界2位に浮上したそうです。
彼がハワイのラナイ島を98%も所有しているという事実、皆さんはご存知でしたか?私はこの事実を知ったとき、正直驚きを隠せませんでした。面積的には小さい島ですが、一国のような規模の不動産を「ほぼ個人所有」するというのは、まさにアメリカンドリームの極致。特にエリソン氏はパンデミック中の2020年に実際にラナイ島に移住し、島の開発や農業、リゾートなど多方面で手を入れてきたそうです。
こうしたニュースを聞くと、ハワイ在住の私としては複雑な気持ちになります。確かに島の開発が進めば経済も潤うかもしれませんが、一方でハワイ本来の文化や自然環境がどうなっていくのかも気がかりです。エリソン氏以外にも、メタ(旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグ氏がカウアイ島に1400エーカーの土地を所有していたり、アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏がマウイ島に14エーカーの邸宅を持っていたりと、ハワイはまさに「大富豪のプライベートアイランド」状態になりつつあります。
私が普段暮らすオアフ島でも、彼らのような超富裕層が別荘を構えたり、投資対象にすることは珍しくありません。ただ、私たち地元住民にとっては「彼らのおかげで土地が高騰し、住みづらくなる」という声も根強いのが現実。観光地としてのハワイの魅力はもちろんですが、同時に「住む場所」としてのハワイがどうなっていくのか、今後も注視していきたいところです。
世界2位の富豪に躍り出たエリソン氏
オラクル株の急騰で資産急増
フォーブスによると、オラクル・コーポレーションの会長兼最高技術責任者であり共同創業者のラリー・エリソン氏は、オラクル株の最高値更新により世界第2位の富豪となりました。オラクル株は木曜日の取引で1株202ドルに達し、同社の利益と売上が市場予測を上回ったことが背景にあります。
エリソン氏はオラクル株の約40%(約10億株)を保有しており、株価が14%急騰したことで一時的に約250億ドル(約3.9兆円)の資産が増加。総資産は約2420億ドル(約37.7兆円)に達し、マーク・ザッカーバーグ氏(2390億ドル)やジェフ・ベゾス氏(2280億ドル)を抜きました。
ラナイ島の開発とエリソン氏の影響
ラリー・エリソン氏は約10年前にラナイ島の98%を購入し、2020年には実際に移住しました。彼の所有するラナイ島では、農場や手頃な価格の住宅開発などが進められ、リゾートやホテルも彼の所有です。ラナイ島の開発はハワイ経済にとっても影響が大きく、観光業や不動産業界に新たな動きを生んでいます。
ハワイに集まる世界の大富豪たち
ハワイはエリソン氏だけでなく、他の大富豪たちの「お気に入り」の地でもあります。メタ(旧フェイスブック)のマーク・ザッカーバーグ氏はカウアイ島に1400エーカー(約5.7平方キロメートル)の敷地を所有し、隣接する土地も徐々に買い増ししてきました。アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏は2021年にマウイ島に14エーカー(約5万6000平方メートル)の邸宅を購入しました。
一方で、現在世界一の資産家であるテスラおよびスペースXのイーロン・マスク氏(4070億ドル)は、ハワイに不動産を所有していないと報じられています。
ハワイの土地価格と地域住民への影響
このような富豪たちによる大規模な不動産取得は、ハワイの不動産価格を押し上げる要因の一つとも言われています。特にローカル住民にとっては、住宅価格の高騰や生活コストの上昇が深刻な問題となっており、「ハワイに住むこと自体が難しい」と感じる人も増えてきました。
エリソン氏のラナイ島開発は、地域経済や雇用に一定の恩恵をもたらす一方で、ハワイ全体の「格差」や「文化的な持続可能性」といった観点での議論も必要です。ハワイの未来が、単なる「富豪の楽園」になってしまわないためには、行政や住民、企業がバランスの取れた発展を目指す必要があるでしょう。
ハワイ在住者として考える今後のハワイの姿
私自身、ハワイで暮らす一人として、こうした動きは注視しています。観光客や移住者が増えることは経済的にはメリットですが、その一方で「地元の文化やコミュニティが失われないか」「自然環境が守られるのか」という不安もあります。
ハワイが持つ本来の魅力を守りながら、持続可能な社会を築くことが求められています。今後もハワイの未来を左右するニュースには、目を離さずにいたいと思います。
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