ワイキキの歴史が動いた!ハイアットリージェンシーの土地が2億1500万ドルで売却

100年以上続いた土地所有に終止符を打つ大取引

私が暮らすホノルルのワイキキは、世界中から観光客が訪れるハワイの中心地であり、観光業と不動産が密接に結びついた場所です。最近、このワイキキの不動産市場において非常に大きな取引が成立したというニュースが地元で大きな話題となっています。それが、ハイアット リージェンシー ワイキキ ビーチ リゾート&スパ(Hyatt Regency Waikiki Beach Resort)の土地売却です。

今回、売却されたのはハイアットのホテル建物そのものではなく、その**土地の所有権(グラウンドリース)です。
これまで100年以上にわたり土地を所有してきたハワイのSteiner(スタイナー)家が、テキサス州ダラスに拠点を置く不動産投資会社Montgomery Street Partnersに対して、合計6区画の土地を
2億1500万ドル(約325億円)**で売却しました。取引は2025年9月12日に正式に成立し、ハワイ州の登記局に記録されています。

ワイキキにおいてこれほど大規模な土地取引が行われるのは非常に珍しく、今年最大の不動産取引となりました。比較として、今年3月にはハイアットから2ブロック離れた「Hawaiian Ebbtide Hotel」が1500万ドルで売却されましたが、今回の取引金額はその14倍以上に達しています。

私自身も、ワイキキの不動産市場は近年やや停滞していると感じていたので、この規模の売却は非常にインパクトのあるニュースです。特に、これまで一族が100年以上にわたって保持してきた土地が手放されるというのは、単なる取引以上にワイキキの歴史が大きく動いた瞬間だといえるでしょう。


Steiner家とワイキキ開発の歴史

この土地を所有していたSteiner家は、ハワイにおける長い歴史を持つファミリーです。先祖であるJames Steiner氏が1900年前後にワイキキの土地を購入したのが始まりでした。当時のワイキキは現在のようにホテルが立ち並ぶ観光地ではなく、まだ開発前の状態だったと言われています。

長年にわたりSteiner家はこの土地を所有し続け、ホテルや商業施設に貸し出すことで運用してきました。現オーナーのKeith J. Steiner氏は2018年に亡くなり、その後は子供たちが相続して管理を続けていました。その中には、ホノルルの観光業界団体「Waikiki Improvement Association」の元会長であるK. James Steiner Jr.氏も含まれています。

しかし、時代の変化や土地活用の選択肢を考慮し、今回ついに売却を決断したと見られます。結果として、Steiner家は長年所有してきたハイアット関連の土地をすべて手放し、現在はホノルル中心部のACホテルの土地のみを保有している状況です。


買い手はグラウンドリース専門のREIT

買収したのは、Montgomery Street Partnersというテキサス州ダラスに本社を置く不動産投資会社です。この企業は、特に**グラウンドリース(底地)**に特化した投資を行っており、今回の取引はまさにその代表例といえます。

ワイキキのホテルは「建物と土地の所有者が異なる」という形態が多く、建物所有者は韓国の**Mirae Asset Global Investments Co.**です。つまり、ホテルを運営するMirae Assetは、土地所有者であるSteiner家やLuke家に地代を支払い続けてきました。
今回の売却により、今後はMontgomery Street Partnersが地代収入を得る立場に変わることになります。

なお、ハイアットの敷地には合計8区画があり、今回売却された6区画以外の2区画は、Hawaii National Bankを所有するLuke家が引き続き所有しています。


過去のワイキキ大型取引と比較

今回の2億1500万ドルという金額は、ワイキキ不動産市場において極めて大きなものです。
ここ数年の大型取引と比較すると以下のようになります。

年月取引物件金額備考
2025年9月ハイアット土地(Steiner家→Montgomery)2億1500万ドル今年最大
2025年3月Hawaiian Ebbtide Hotel1500万ドルハイアット近く
2019年Alohilani Resort土地(Queen Liliuokalani Trust→買主不明)1億9500万ドルカラカウア通り沿い
2015年ハイアットホテル建物(Mirae Asset)7億5560万ドル建物所有権

この比較からも、今回の取引がいかに大規模であるかが分かります。


ワイキキの今後と再開発の可能性

ワイキキは観光需要が戻りつつある一方で、新規開発は限定的な状況が続いています。
しかし、最近では以下のような動きもあり、今後数年間で再び活発化する兆しが見えます。

  • ヒルトン・グランド・バケーションズ
    ハイアット向かいに新タワーを建設中。2025年夏オープン予定。
  • Ewa Hotel
    ダイヤモンドヘッド側にあるホテルが2024年3月から売り出し中。

こうした動きと今回の大型土地取引を踏まえると、今後はワイキキに新たな再開発や大型投資が入る可能性が高いと考えられます。


まとめ:歴史を動かすワイキキの土地取引

ハイアットリージェンシー ワイキキの土地売却は、単なる商業取引ではなく、100年以上続いた家族の歴史に幕を下ろす出来事でもあります。そして同時に、ワイキキという世界的観光地の未来を左右する重要な一歩ともいえます。

私自身、日々ワイキキを歩く中で、こうしたニュースが街の景観やビジネスにどのような変化をもたらすのかを楽しみにしています。今後、Montgomery Street Partnersがどのようにこの土地を運用し、街づくりに関わっていくのか注目していきたいと思います。

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