ハワイで愛された味、惜しまれつつ幕
ハワイに住んでいると、地元に根付いたお店の閉店ニュースに触れるたびに寂しさを感じます。今回モイリイリ地区の老舗中華料理店「メープルガーデン」が4月末で閉店するというニュースを知り、私も長年親しんできた味がなくなってしまうのかと胸が痛みました。特に家族や友人との食事に利用した思い出が蘇り、地元に根ざしたレストランの大切さを改めて実感しています。
1975年創業、北方系四川料理で人気
「メープルガーデン」は1975年、モイリイリのアイゼンバーグ通りにオープンし、約50年にわたって地域に愛されてきた中華料理店です。特に北方系四川料理を中心としたメニューが人気で、冬瓜スープ、酔っぱらいアサリ、豚バラ煮込み、カレー牛肉、酢豚など、辛さと香りを生かした本格的な料理を提供してきました。ゆったりと落ち着いた雰囲気の中で、丁寧にサーブされる料理は多くのローカル客に支持されていました。
閉店理由はコロナ禍の影響とインフレ
オーナーのリチャード・ラム氏は、今回の閉店についてハワイニュースナウに対し「パンデミックによる財務的損失、労働力不足、継続するインフレ問題」など複数の要因が重なった結果だと説明しています。コロナ禍以降、多くの飲食店が同様の課題に直面してきましたが、老舗の「メープルガーデン」もその波を避けられなかったようです。
オーナー交代後も守られた伝統
もともとはロバート・スー氏が創業した「メープルガーデン」ですが、彼が2007年に亡くなった後、現在のオーナーであるリチャード・ラム氏が経営を引き継ぎました。ラム氏は、カハラモールの「イェンキングレストラン」で約20年働いた経験を持ち、その後も本格的な中華の味を守り続けてきました。長年続いた味とサービスの伝統を惜しむ声は、地元コミュニティの中でも非常に大きいです。
地元に根付いた名店の閉店は大きな損失
今回の閉店は、単に一店舗がなくなるだけでなく、ハワイの多文化的な食文化の一端が失われる出来事でもあります。特に、モイリイリという歴史ある地域において、家族で訪れ、友人と語らった思い出の場所が減っていくことに寂しさを感じます。とはいえ、「メープルガーデン」で培われた味や想い出は、これからも多くの人の心に残り続けるでしょう。
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