路線再編は「統合」の現実を物語る
アラスカ航空とハワイアン航空の統合から半年。今回のホノルル発着便の大幅な見直しは、この統合の影響が本格化していることを示しています。特にアラスカ航空が西海岸への直行便を削減し、ハワイアン航空にバトンタッチしている点からは、ブランド統一や機材効率化の意図が透けて見えます。とはいえ、地元住民や旅行者にとっては不便を感じる場面も増えそうです。
需要「減速」で、アラスカ航空は800便以上を削減
アラスカ航空グループは、2025年4月から7月の間にホノルルからの便数を前年同期比で大幅に削減。特にアラスカ航空単体では、約57%の減便、800便以上のカットが行われることが明らかになりました。
削減された主な路線は以下の通り:
- ロサンゼルス(LAX)
- サンフランシスコ(SFO)
- サンノゼ(SJC)
- サンディエゴ(SAN)
- シアトル(SEA)
- ポートランド(PDX)
ハワイアン航空が代わりに路線を強化
一方、ハワイアン航空は同期間に約445便を増便。LAXやSFOなどの路線は「ハワイアンブランド専用」に変更され、アラスカ航空は運行を停止。
今後の主な変更点:
- サンディエゴ線はアラスカ航空が1日1便(~6月12日)、ハワイアン航空が1日3便に
- シアトル線はハワイアン航空が1日4便、アラスカ航空が2便へ
- ポートランド線もハワイアンが3便運行予定
これにより、ハワイアン航空の大型機A330が西海岸路線により多く投入される見込みです。
ホノルル=オースティン線は直行便廃止、経由便に切り替え
需要と機材配置の最適化を理由に、ハワイアン航空のホノルル=オースティン直行便は2025年3月で終了。現在はサンディエゴやシアトルを経由した「1ストップ便」として運行中です。
統合効果と今後の展望
アラスカ航空はハワイアンとの統合により、シート数を20%増加。また、東京・成田やソウル・仁川への新規国際線も視野に入れており、今後のネットワーク拡張が期待されます。
一方で、同社は2025年第2四半期における需要の「軟化(softness)」を警戒。第1四半期には1億6,600万ドルの損失を計上しており、特に旅客収入は前年同期から約3億7,000万ドル減少しました。
まとめ:路線最適化と経営再建の狭間で
今回のホノルル便の見直しは、統合による効率化の一環であると同時に、航空業界全体の不安定な需要環境への対応策でもあります。地元ハワイとしては、ハワイアン航空の強化によって利便性が保たれる側面もありますが、アラスカブランドの存在感が薄れることへの懸念も残ります。
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