昇給は誰にとっても気になる話題です
私自身、ホノルルで会社員として働いていると、「今年の昇給率ってどうなるんだろう？」と毎年この時期になると気になります。特に物価が上がり続ける今、給与の上昇は生活の安定に直結しますし、転職やキャリアアップの判断材料にもなります。
そんな中、米国労働統計局（BLS）のデータをもとに全米100大都市圏の賃金動向を分析したレポートが発表され、興味深い内容がいくつも見えてきました。意外な都市が賃金上昇のトップに躍り出たり、業界によって昇給率に大きな差があったりと、今後のキャリア戦略に活かせる情報が満載です。
この記事では、2025年の昇給トレンドと、注目すべき業界別の動きについてわかりやすくまとめてみました。
最も昇給率が高かった都市はジョージア州オーガスタ
2025年3月時点で、全米100都市圏のうち91都市で平均週給が前年比増加。中でも、ジョージア州オーガスタは**前年比+21.8%**という驚異的な伸びを見せました。
- 2024年3月の平均週給：$965.67
- 2025年3月の平均週給：$1,175.79
オーガスタはマスターズ・ゴルフトーナメントの開催地として知られ、人口も過去5年で2.5万人増加。今後さらに2.6万人増えると見込まれています。雇用も大きく伸びており、経済全体が上向きです。
2位と3位は、アイダホ州ボイジー（+14.5%）、**ユタ州オグデン（+13.8%）**と、比較的中規模都市が健闘しています。
賃金が下落した都市も
一方で、賃金が下がった都市も存在します。最も大きな下落が見られたのはノースカロライナ州ウィンストンセーラムで、13.6%減。他にも、
- ダラム–チャペルヒル（-1.0%）
- ナッシュビル（-0.9%）
といった都市が前年比でマイナスとなりました。特にウィンストンセーラムは製造業の発展が進んでいる地域ですが、それがすぐに給与に反映されていない状況が伺えます。
週給が高い都市トップ3
昇給率ではなく絶対額での週給が高い都市は以下の通り：
- サンノゼ（カリフォルニア州）：$1,893.41
- サンフランシスコ：$1,632.00
- シアトル：$1,568.93
いずれもテクノロジー企業が集まる都市で、依然として高水準の給与が支払われていることがわかります。
タリフ（関税）不安と企業の昇給方針
2025年初めに導入予定だった一連の関税措置が、企業の昇給判断に影響を与えています。WTW（旧ウィリスタワーズワトソン）の調査によれば、
- 56%の企業幹部が、従業員がベース給与の上昇に不安を抱いていると回答
- ただし、48%の企業は昇給に影響なしと回答
- さらに28%は影響ゼロと明言
企業としては昇給方針に大きな変更を加える予定はないようですが、従業員との間に温度差があることも示されています。
昇給率の平均と業界別の違い
2025年の平均昇給率は以下の通り（Mercer QuickPulse調査より）：
- 業績ベース（Merit Increase）：3.2%
- 総報酬ベース（昇進や生活費補助含む）：3.5%
→これは前年（2024年）の3.6%より若干低下
業界別の傾向：
- 医療業界：Merit +2.8%、Total +2.9%
- 小売業界：Merit +3.0%、Total +3.2%
- 保険業界・サービス業界：Total +3.7〜3.8%
医療や小売は昇給幅が小さく、サービス・保険分野はやや高めです。
昇給を狙うには「昇進」がカギ
企業が2025年に昇進させる予定の従業員は全体の10%（前年は8%）。昇進時の給与増加率は**平均8.5%**となっており、ベース昇給だけではなくキャリアアップによる給与向上が期待できます。
最低時給と従業員満足度
- 最低時給平均：$17.50
- **時給労働者の60%**が「賃金に満足」
- 給与制労働者の満足度は78%
この差を埋めるため、時給労働者向けにスキルアップや福利厚生、キャリアパスの整備が重要だと専門家は指摘しています。
まとめ：昇給率は都市・業界・立場で大きく異なる
今回のデータから分かるのは、「どこに住み、どの業界で、どのポジションで働くか」によって、昇給の可能性やその幅が大きく変わるということ。私自身も昇進やスキルアップを視野に入れつつ、次のキャリアステップを考えていきたいと思いました。
出典：
- The Business Journals（Bureau of Labor Statistics分析）
- WTW Compensation Survey
- Mercer QuickPulse U.S. Compensation Planning Survey
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