観光減速とインフレが影響?ハワイ州経済の最新見通しと注目ポイント

観光だけじゃないハワイの強みを実感

ハワイに住んでいると、観光産業の動きが日々の暮らしに大きく影響していることを実感します。ホテルの稼働率が上がると周辺のレストランや交通量も活気づきますし、逆に静かになると「今、観光客少ないな」と肌で感じます。そんな中、ハワイ州の経済専門家たちが2025年の成長見通しを下方修正したというニュースは、ローカルにとっても見逃せない内容でした。とはいえ、観光が鈍化している一方で、建設業や医療、専門サービスといった分野が経済を支えているとのこと。ハワイの経済は観光だけに依存しているわけではないんだなと、改めて気づかされました。これからの時代、多角的な産業構造こそが、安定した暮らしを支えてくれる鍵になるのかもしれません。





経済成長率は1.2%へ下方修正

ハワイ州ビジネス・経済開発・観光局(DBEDT)は、2025年のハワイ州経済の成長率予測を1.7%から1.2%に引き下げました。これは、観光の減速、関税の影響、連邦政策の不透明さなどが理由とされています。ただし、長期的には安定した成長が見込まれており、2026年は1.5%、2028年には1.8%まで回復すると予測されています。


UHEROとの見解の違い

一方、ハワイ大学経済研究機構(UHERO)はより慎重な見方を示しており、2026年には軽度の景気後退に入る可能性があると指摘しています。DBEDTはこれに対して、建設、不動産、医療、専門サービスの堅調な成長が経済を支えるとし、より楽観的な見通しを示しています。


観光業は依然回復途上

観光業は2025年初頭に好調なスタートを切りました。前年同期比で訪問者数は1.7%、消費額は6.5%増加しました。しかし、国際便(特に日本、カナダ、オセアニア)からの座席数が3.5%減少した影響で、年間の訪問者数は0.1%の減少が見込まれています。2026年には再び0.7%の増加が予想されており、観光支出も1.3%(2025年)、1.7%(2026年)と増加基調となる見込みです。


建設業が経済の柱に

観光が停滞する中で注目されているのが建設業です。2024年の建設関連課税ベースは140億ドルと前年比17.8%増加し、2025年1月には前年同月比で43.8%増加という驚異的な伸びを記録しました。住宅やインフラ、商業施設の建設が活発化しており、ハワイ経済の下支えとなっています。


雇用も回復基調

2025年4月時点での農業以外の雇用者数は65万2,900人に達し、これは2019年4月比で99.3%の回復率。これはパンデミック以降で最高の水準であり、ハワイ州の雇用情勢は着実に改善していることがわかります。


長期的には安定した成長を期待

DBEDTのトキオカ局長は「ハワイは短期的には観光の鈍化やインフレの影響を受けているが、長期的な経済回復力には自信がある」と述べています。確かに観光は一時的に弱含みとなっているものの、建設や医療など他分野が堅調に推移しており、バランスの取れた産業構造への移行が進んでいる印象です。


今後注目すべきポイント

  • 観光回復のタイミング(特に日本からの便数増加)
  • 建設業の投資動向
  • インフレ率と物価への影響
  • 地元中小企業の動向

こうした指標を継続的にウォッチしていくことで、ハワイ経済の「今」と「これから」をより正確に捉えることができそうです。


出典
Hawaii Department of Business, Economic Development and Tourism(DBEDT)
University of Hawaii Economic Research Organization(UHERO)
Honolulu Star-Advertiser

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