若い世代の”現実的な選択”に共感
最近、Z世代がいわゆる「ホワイトカラー職」ではなく、トレード(技能職)に関心を持ち始めているというニュースを読み、個人的にとても共感しました。私自身はオフィス勤務のサラリーマンですが、AIの進化や自動化の波を感じるたびに「本当にこの仕事って将来も必要とされるのかな」と不安になることもあります。そんな中、Z世代が“実用的なスキル”や“人間にしかできない仕事”に価値を見出しているのは、彼らの柔軟さや現実的な判断力の表れだと思いました。学歴よりも確かな技術、安定よりも手応え。この傾向は、今後の働き方における大きなヒントになるかもしれません。
大卒でもトレード職へ
求人サイトResume Builderの最新調査によると、18〜28歳のZ世代の42%が、現在技能職に就いている、もしくは目指していると回答しました。特に注目すべきは、大卒者のうち37%も技能職に関心を持っているという事実です。これは、「大学に行ったからといって、必ずしもオフィスワークに進むべきではない」とする意識の広がりを示しています。
男性のほうが高い傾向
同調査では、Z世代男性の48%がトレード職に就くか目指していると答えており、女性(30%)と比較して高い割合となっています。特に**大卒男性では46%、女性では27%**という数字になっており、性別による意識の差も見られました。
トレード職を選ぶ主な理由
Z世代が技能職を選ぶ理由には、以下のような要素があります:
- 学生ローンの負担を避けたい
→ 高額な学費を支払わなくても、職業訓練校や見習い制度でキャリアが築ける。 - AIによる職業の自動化を警戒
→ ホワイトカラーの仕事はAIに置き換わるリスクがある一方、電気工事士や配管工、大工などは「人間の手」が不可欠。 - 学位が職に直結しない現実
→ 大卒でも希望する分野に就職できないケースが増えており、より“手に職”志向が強まっている。
Resume Builderのキャリアアドバイザー、ステイシー・ハラー氏は「Z世代の大卒者がトレード職に移行しているのは合理的な判断。実務スキルは自動化されにくく、需要も高い」と述べています。
トレード職=将来性のある選択肢
技能職というと昔ながらの「肉体労働」「泥臭い」といったイメージを持つ方もいるかもしれません。しかし今では、以下のように将来性と収入の両面で注目されている職業群です:
- 電気技師、配管工、大工、整備士などは中所得〜高所得が狙える
- 資格取得後、フリーランスや自営業としての道も可能
- 地域や時代に左右されにくい普遍的な需要
また、Z世代の価値観に多い「目に見える成果」「人とのリアルな接点」「地域社会への貢献」といった要素にも合致しており、精神的満足度も高い仕事といえます。
AI社会で生き残るには?
今後、AIが文章作成や事務処理、データ分析をこなすようになる一方で、リアルな現場作業や応用力を要する手仕事は代替が困難です。Z世代は、この現実に早くから気づき、「安定=大企業」ではなく「スキル=安定」へと価値観を転換しています。
ハワイでもトレード職は身近な選択肢
私が暮らしているハワイでも、観光業の影響を受けて職の選択肢が限られる中で、配管工や建設業、HVAC技術者といった技能職は常に求人があり、ローカルの若者たちの間でも注目されています。特に住宅コストが高く、生活の基盤が不安定になりがちな今、手に職を持つことの安心感は想像以上に大きいです。
まとめ:Z世代の選択が社会を変える?
Z世代の「トレード職回帰」は、一過性のブームではなく、キャリアの多様性が当たり前になる時代の到来を象徴しているように思います。私たちも、自分の働き方を見直すきっかけとして、この新しい潮流に注目していきたいですね。
出典:
・Resume Builder「2025 Gen Z Trade Career Report」
・ZipRecruiterキャリアレポート
・The Business Journals
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