「えっ、また株価が下がってる?」—ハワイの企業も関税の波に巻き込まれる時代に
私は日々、ハワイの経済ニュースや株式市場の動きをチェックしていますが、ここ最近の大きな下落には思わず眉をひそめてしまいました。特に、ハワイに本社を置く上場企業が、関税政策の影響を受けて二日間で10%以上も値を下げるような動きは、なかなか珍しいことです。アメリカ本土と太平洋をつなぐ重要な物流や観光の中心地としてのハワイが、今まさに世界の経済政策に揺さぶられていることを実感します。今回は、2025年4月に発表されたトランプ政権の新しい関税政策が、ハワイの株式市場に与えた影響を中心にまとめました。
トランプ政権の関税政策、ハワイ企業に大打撃
2025年4月2日にトランプ政権が発表した新関税政策が、アメリカ全体の株式市場に不安をもたらし、特にハワイの上場企業に大きな影響を与えました。ダウ平均株価は二日間で5.5%(2,231ポイント)下落、ナスダックも5.82%(約963ポイント)の急落となりました。
この影響で、ハワイの主な上場企業の株価も軒並み下落しています。
ハワイ主要上場企業の下落率まとめ (2025年4月4日時点)
企業名 | ティッカー | 金曜終値 | 2日間の下落率 | 年初来変動 |
---|---|---|---|---|
マットソン(海運) | NYSE: MATX | $112.16 | -15.2% | -18.62% |
バンク・オブ・ハワイ | NYSE: BOH | $61.50 | -11.51% | — |
セントラル・パシフィック・ファイナンシャル | NYSE: CPF | $23.98 | -12.0% | — |
ファースト・ハワイアン | Nasdaq: FHB | $21.66 | -12.24% | — |
ハワイアン・エレクトリック | NYSE: HE | $9.97 | -8.7% | +5.5% |
アレクサンダー&ボールドウィン(不動産) | NYSE: ALEX | $16.54 | -5.9% | — |
マウイ・ランド&パイナップル | NYSE: MLP | $15.91 | -8.46% | — |
ハワイアン・エレクトリックのみが年初からの上昇を維持していますが、それでも今回の2日間では8.7%の下落を記録しています。
関税の内容と経済的影響:消費者に跳ね返るコスト
今回発表された関税政策は二段構えになっており:
- 第1弾:ほとんどの輸入品に10%の一律関税(4月5日施行)
- 第2弾:「報復関税」対象国への追加課税(4月9日施行)
これにより、米国の実質的な関税率は11.5%上昇、今年発表された他の関税と合わせて合計22.5%にまで上昇しています。
エコノミストの予測では、今回の関税により消費者物価は1.3%、年初来の関税全体では2.3%上昇するとされています。つまり、企業コストだけでなく、最終的には私たち消費者がその負担を負うことになります。
国内製造の促進はあるが、効果は長期的に
関税の影響で一部の企業は米国内での製造にシフトする動きも見られますが、その効果が現れるには時間がかかります。ニューマーク・グループのリサ・デナイト氏によると、「関税は製造拠点の決定に影響を与えるが、それが必ずしも米国内を意味するとは限らない」とのこと。中長期的には、企業はグローバルな供給網全体の見直しを迫られるでしょう。
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